2015年07月30日
サハリン発
[サハリン漁業者協会副会長シャーノフが流し網漁業禁止問題を追及]
昨日2015年7月29日、ロシア農業副大臣(漁業庁長官)シェスタコフと、サハリン州の水産業界関係者との会合において、出席したサハリン漁業者協会副会長シャーノフが流し網漁業禁止問題を追及した。
来年2016年1月1日からロシア水域における流し網漁業を禁止する法案に大統領プーチンが過日署名した。
シャーノフは、まず、サハリン業界の要望がきき入れられなかったことに不満を表明し、今後の太平洋サケマスを対象に流し網漁業を行ってきた企業への取扱いを追及した。
流し網漁法を使用しなければ、排他的経済水域において太平洋サケマスを漁獲することが可能と理解されているが、シャーノフは、太平洋海洋漁業研究所チンロセンター、サハリン海洋漁業研究所サフニロ、カムチャツカ海洋漁業研究所カムニロ等へ、効率的な刺し網や代替の漁法を照会しても、広い範囲にまたがる資源を漁獲するための決定的な漁具に関する回報が現時点においてない旨を指摘し、それを導き出すための期間の対応として、業界は少なくても2年間は、流し網漁業を継続することを求めていると語った。
また、これが不可能な場合、オークションで落札した漁獲割当に関する政府との契約期間が残っており、その資源利用料の返還と損害賠償の準備をしているのかと追及した。
これに対してシェスタコフは、科学研究機関が今年2015年内に代替の効率的な漁具を開発すると回答したとされている。
(関連過去情報)
2015年02月17日 モスクワ発
[サハリン漁業者協会副会長シャーノフの流し網禁止法案への反論指摘点等]
ロシア農業大臣フョードロフは、2015年2月13日、ユジノサハリンスクで開催された漁業分野の会議に出席、ロシア下院に法案が提出されている2016年からの排他的経済水域での太平洋サケマス流し網漁業禁止について、国はこの決定を既に行っていると語り、法案成立を全面的に支持すると言及した。
この法案についてサハリン漁業者協会副会長シャーノフは、問題点等を指摘し、サハリン業界は当該漁業禁止に反対すると表明した。
(報告担当者 原口聖二 :サハリン漁業者協会副会長シャーノフの指摘点等概要)
①流し網漁業への反対派の意見が出現以降、カムチャツカ地方の太平洋サケマスの平均漁獲量は、むしろ1.8倍に、また、河川2.7倍を含めベニザケは1.6倍に増加した点。
②流し網漁業禁止法案の説明書によると、これにより3,825件の業務の増加が見込まれるとしているが、カムチャツカ地方水産部のデータでは、2013年-2014年の同地方の水産業従事者は1万6,000人、漁業生産量は100万トンで、他方、流し網漁業による漁業生産はこの1.5%を超えることはなく、約4,000件の業務を増加させることは不可能であり、むしろ当該漁業の禁止は熟練した500件の業務を排除することになる点。
③2014年の報告によると流し網漁業により1億1,430万ルーブルの税金が支払われ、乗組員に対して2億4,790万ルーブルの給与が支払われた点。
④説明書によると、流し網漁業の禁止により50億ルーブル相当の漁獲物製品がロシア国内市場に供給されることになるとしているが、当該漁業による漁業生産は15億ルーブル相当であり、しかも、価値のあるベニザケ製品は海外市場へ供給され国内市場に変化を与えることはないと言える点。
⑤2010年春、当該漁業にかかるオークションが開催され、1隻あたり600トン、16ロットを13社が落札、その際、対価のもと、単年ではなく2020年までの契約が発生していて、これが担保される必要があり、このオークションも、当時の首相プーチン承認による政府委員会の流し網漁業禁止は不適切である旨の決定に基づき行われた点。
サハリン発
[サハリン漁業者協会副会長シャーノフが流し網漁業禁止問題を追及]
昨日2015年7月29日、ロシア農業副大臣(漁業庁長官)シェスタコフと、サハリン州の水産業界関係者との会合において、出席したサハリン漁業者協会副会長シャーノフが流し網漁業禁止問題を追及した。
来年2016年1月1日からロシア水域における流し網漁業を禁止する法案に大統領プーチンが過日署名した。
シャーノフは、まず、サハリン業界の要望がきき入れられなかったことに不満を表明し、今後の太平洋サケマスを対象に流し網漁業を行ってきた企業への取扱いを追及した。
流し網漁法を使用しなければ、排他的経済水域において太平洋サケマスを漁獲することが可能と理解されているが、シャーノフは、太平洋海洋漁業研究所チンロセンター、サハリン海洋漁業研究所サフニロ、カムチャツカ海洋漁業研究所カムニロ等へ、効率的な刺し網や代替の漁法を照会しても、広い範囲にまたがる資源を漁獲するための決定的な漁具に関する回報が現時点においてない旨を指摘し、それを導き出すための期間の対応として、業界は少なくても2年間は、流し網漁業を継続することを求めていると語った。
また、これが不可能な場合、オークションで落札した漁獲割当に関する政府との契約期間が残っており、その資源利用料の返還と損害賠償の準備をしているのかと追及した。
これに対してシェスタコフは、科学研究機関が今年2015年内に代替の効率的な漁具を開発すると回答したとされている。
(関連過去情報)
2015年02月17日 モスクワ発
[サハリン漁業者協会副会長シャーノフの流し網禁止法案への反論指摘点等]
ロシア農業大臣フョードロフは、2015年2月13日、ユジノサハリンスクで開催された漁業分野の会議に出席、ロシア下院に法案が提出されている2016年からの排他的経済水域での太平洋サケマス流し網漁業禁止について、国はこの決定を既に行っていると語り、法案成立を全面的に支持すると言及した。
この法案についてサハリン漁業者協会副会長シャーノフは、問題点等を指摘し、サハリン業界は当該漁業禁止に反対すると表明した。
(報告担当者 原口聖二 :サハリン漁業者協会副会長シャーノフの指摘点等概要)
①流し網漁業への反対派の意見が出現以降、カムチャツカ地方の太平洋サケマスの平均漁獲量は、むしろ1.8倍に、また、河川2.7倍を含めベニザケは1.6倍に増加した点。
②流し網漁業禁止法案の説明書によると、これにより3,825件の業務の増加が見込まれるとしているが、カムチャツカ地方水産部のデータでは、2013年-2014年の同地方の水産業従事者は1万6,000人、漁業生産量は100万トンで、他方、流し網漁業による漁業生産はこの1.5%を超えることはなく、約4,000件の業務を増加させることは不可能であり、むしろ当該漁業の禁止は熟練した500件の業務を排除することになる点。
③2014年の報告によると流し網漁業により1億1,430万ルーブルの税金が支払われ、乗組員に対して2億4,790万ルーブルの給与が支払われた点。
④説明書によると、流し網漁業の禁止により50億ルーブル相当の漁獲物製品がロシア国内市場に供給されることになるとしているが、当該漁業による漁業生産は15億ルーブル相当であり、しかも、価値のあるベニザケ製品は海外市場へ供給され国内市場に変化を与えることはないと言える点。
⑤2010年春、当該漁業にかかるオークションが開催され、1隻あたり600トン、16ロットを13社が落札、その際、対価のもと、単年ではなく2020年までの契約が発生していて、これが担保される必要があり、このオークションも、当時の首相プーチン承認による政府委員会の流し網漁業禁止は不適切である旨の決定に基づき行われた点。