2016年04月26日
モスクワ発
[色丹島給与未払い問題 姿を消したユーリ・ベルキン]
2016年4月14日行われた大統領プーチンと国民との直接対話において、色丹島サンマ・パッカー漁業コンビナート“アストロブヌイ”(Рыбокомбинат Островной)の給与未払い問題が指摘されたが、この後、創業者で株主のユーリ・ベルキン(Юрий Белкин)が姿を消していることがわかった。
ベルキンの財産は当局により押収されたとしている。
また、当局はベルキンに対して国際捜査手配と逮捕状がだされたと発表している。
2016年04月26日
モスクワ発
[色丹島給与未払い問題 ユーリ・ベルキンに逮捕状]
ロシア検察当局は、色丹島サンマ・パッカー漁業コンビナート“アストロブヌイ”(Рыбокомбинат Островной)の創業者で株主のユーリ・ベルキン(Юрий Белкин)に対し、国際捜査手配と逮捕状がだされたと発表した。
当局は、他の容疑者との関係調査をその理由としている。
この事件で、同コンビナートの代表者の一部は、ユジノサハリンスク市裁判所の決定に基づき既に拘置されている。
(報告担当者 原口聖二: サプサン・グループの“アストロブヌイ”は2010年前後、日本漁船、或いは日本陸上からのサンマ調達に強い関心を示し、同社代表ユーリ・ベルキンが日ロ漁業委員会の業界代表として参加するほか、訪日を繰り返していた経緯にある。当時、当北海道機船漁連への訪問もあった。)
2016年04月26日
北海道新聞【ユジノサハリンスク栗田直樹】
[色丹島の176人に未払い給料支給]
北方領土・ 色丹島 にある水産加工場の給料未払い問題で、検察当局は25日、工場を経営するオストロブノイ社が同島の未払い対象者176人の給料約1千万ルーブル(約1670万円)の支給を終えたと発表した。
ロシアメディアが伝えた。
未払は当初、53人分の給料約600万ルーブルとしていたが、規模が膨らんだ。
地元関係者によると、四島を事実上管轄するサハリン州のコジェミャコ知事は25日、色丹島を訪れ、問題の解決状況などを確認したという。
知事は16日にも視察しており、2週続けての訪問は異例だ。
プーチン大統領が14日行った国民とのテレビ対話で発覚した。
ロシア当局は水産加工場の女性責任者を拘束し、裁判所が21日に逮捕を決定した。
この問題に絡み、六つの刑事事件の捜査が進んでいる。
(関連過去情報)
2016年04月17日 北海道新聞【ユジノサハリンスク栗田直樹】
[会社幹部が色丹訪問「来週までに支払い」 給料未払い問題]北方領土・ 色丹島 にある水産加工場の給料未払い問題で、サハリン州のコジェミャコ知事と、加工場を経営するルイバコンビナート・オストロブノイ社の幹部らは16日、同島を訪れ、会社側は従業員らに来週までに支払いを終える意向を伝えた。
この問題は、プーチン大統領が14日に行った国民とのテレビ対話で発覚し、同氏が地元関係者に早期対応を指示した。未払いは少なくとも53人分の給料約600万ルーブル(約1千万円)に上る。知事らは15日に色丹島へ向かったが、荒天で経由地の国後島に足止めされていた。
州政府の発表などによると、会社側は16日、従業員ら35人に未払い分を渡した。残りの対象者には20日以降にも支給する考えを示した。
2016年04月16日 北海道新聞【ユジノサハリンスク栗田直樹】
[色丹島の水産加工場の給料未払い 大統領が指示、一部支払い]
ロシアのプーチン大統領が14日に行った国民とのテレビ対話で明らかになった北方領土・ 色丹島 にある水産加工場の給料未払い問題をめぐり、15日、サハリン州や水産会社は対策に追われた。同日、東京で行われた日ロ外相会談に合わせ、同島の実効支配を改めて示す狙いもうかがえる。ロシア国営テレビは一時トップで報道した。
ロシアメディアによると、生中継の国民対話で、サハリンの女性が以前働いた色丹の水産加工場での給料未払いを訴えた。水産会社は、少なくとも53人に給料約600万ルーブル(約1千万円)を払っておらず、当局は刑事事件として捜査を開始。プーチン氏は「地元当局は迅速に対応すべきだった」と早期解決を指示した。
同社幹部は15日、問題を告発した女性ら9人の元を訪れ、給料の一部2万ルーブルを1人ずつ手渡した。サハリン州のコジェミャコ知事はロシア最高検察庁幹部らと色丹島に向かったが、「荒天で経由地の国後島にいる」(関係筋)。16日にも色丹入りするとみられる。
1956年の 日ソ共同宣言 では、平和条約締結後に色丹島と歯舞群島を引き渡すと明記。外交筋は「日ロ外相会談に合わせ、ロシア国内には自国領
とアピールする一方、日本に対し領土要求をけん制する狙いがある」とみている。
2016年04月14日 モスクワ発 日本経済新聞
[プーチン国民対話 色丹島水産会社給与遅配 水産物の中国経由輸入問題]
日本経済新聞は、2016年4月14日行われた国民との直接対話において大統領プーチンが色丹島水産会社の給与遅配と中国経由で輸入される水産物の問題等に言及したと伝えた。
同紙の記事関係部分抜粋は次のとおり。
プーチン氏がテレビを通じ全土の国民と直接対話する毎年恒例の特別番組に出演した・・・・・
番組でも、あえて北方領土の色丹島の漁業関連企業の問題を取り上げた。給与遅配や地元当局の腐敗の実態を訴える労働者の質問を受けたプーチン氏は同島を管轄するサハリン州などの関係当局に早急な対応を指示し「状況を改善させるために全力を尽くす」と語った。司法当局は同日、この企業のトップを訴追したと発表した。
ロシアの近海でとれた水産品が中国経由で輸入され、ロシアの生産者や消費者が不利益を受けている実態 も関連法の制定を通じて改める考えを示した。漁業の振興に取り組む姿勢もみせ、同島を大きな関心事としていることをうかがわせた。
2015年03月13日 サハリン発
[色丹島サンマ・パッカー“アストロブヌイ”を給与未払いで刑事捜査へ]
サハリン当局は、半年間、従業員に対して給与を未払いにしている色丹島サンマ・パッカー漁業コンビナート“アストロブヌイ”(Рыбокомбинат Островной)を刑事起訴すべく、その捜査を開始した。
当局は、“アストロブヌイ”が17名の従業員に対し、2014年6月期から翌2015年1月期までの間、賃金を支払わなかったとし、起訴へ向け証拠収集等の捜査活動を行っている。
2010年11月9日 日本経済新聞
[気仙沼の阿部長商店 水産加工品 ロシアに輸出]
年内メド、現地大手と合弁
阿部長商店(宮城県気仙沼市、阿部泰浩社長)は水産加工品のロシア輸出を始める。年内をメドに現地の水産加工大手と合弁会社を設立し、ロシア全土の食品スーパーで日本で製造した冷凍食品やレトルト食品を販売する。輸出拡大に向けて岩手県大船渡市に水産加工では東北最大級の新工場を稼動させた。人口減で国内市場が縮小するなか、新興国に活路を開く。
50億円投資 大船渡に新工場
ロシアの水産加工大手、サプサン・グループ(ユーリ・ベルキン)と現地での販売を手掛ける合弁会社、阿部長ユーロフード(モスクワ市)を設立する。阿部長とサプサンがそれぞれ10万ドル(約810万円)を出資する方向で調整している。サプサンは水産物の缶詰ではロシアで20%以上のシェアを握る。阿部長とはサンマなど缶詰原料の調達で取引がある。サプサンはロシア全土で自社の商品を販売しており、同社の販路に乗せて阿部長が日本で生産するサンマのかば焼きやカツオの煮物など加工食品を売り出す。ロシアでも所得水準の高いモスクワやサンクトペテルブルクなど西部に重点を置く。サプサンはドイツに子会社を持っており、将来は西欧諸国での販売も視野に入れる。阿部長は輸出向け商品の生産拡大を目的に、岩手県大船渡市に新工場を建設 した。投資額は土地の購入費用を含め50円。現在は大船渡の近海でとれるサンマやサバを冷凍し、缶詰の原料などとしてロシアや中国に出荷している。来年1月には加工食品の製造も始める。同社の本社がある気仙沼の工場は沖合いでとれるマグロやカツオを使った商品の占める割合が大きい。大船渡の沿岸や魚種が豊富で、取扱品目を拡充する狙いがある。大船渡港が外貿コンテナ航路の寄港地となり、輸出しやすくなったことも立地の決め手になった。阿部長は中国・大連現地法人を設けるなど、新興国への輸出を強化している。背景には人口減と魚食離れによる国内市場の縮小がある。水産庁によると食用魚介類の国内消費量は2008年度に715万トンとピークだった20年前に比べ2割減った。一方、 ロシアは経済成長が期待される新興国。魚介類を食べる習慣が根付いており、今後も消費量の増大が見込まれる。阿部長は1968年の設立。水産加工業のほか気仙沼市や南三陸町でホテルなど観光事業も手掛ける。2009年12月期の売上高は132億円。