2016年04月25日
一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[太平洋サケマス沖獲りに対するプロパガンダを続ける環境保護団体WWF]
流し網漁業禁止に伴う代替漁法についてロ日両国が検討している中、環境保護団体WWFは、太平洋サケマスの沖獲りに対するプロパガンダを続けている。
極東海域の来年2017年のTACにかかる公聴会が行われ、今年2016年に引き続き、排他的経済水域における太平洋サケマスについて同水準の2万2,500トンの設定が勧告された。
この件についてWWFは、2004年以来の概念を単純に踏襲したもので、流し網漁業が禁止になった今日、驚くべき対応だとの批判をサイト上で発表した。
サケマス流し網漁業漁船が多く所属し、定置網によるベニザケの商業生産がないサハリン州は流し網禁止に反対し、他方、サケマス漁業においてベニザケを対象とした定置網が主力のカムチャツカ地方は過去から流し網禁止を強硬に主張していた。
カムチャツカ地方の主張の背景に、これを扇動するWWFの存在があった。
同団体とMSC(エコラベル)は表裏一体で、米国とカムチャツカの沿岸漁業によるベニザケのMSC(エコラベル)製品のシェアを拡大し、その位置づけを強化して、クライアントを増やすためには、市場から評価の高い、流し網漁業による沖獲りのベニザケ製品は“邪魔者”となっていた。
この観点において、現在も米国とカムチャツカの沿岸漁業者、そして同団体は共通の利益に向かい行動していると言える。