2016年11月25日
一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[スケトウダラ不足の韓国市場 ロシア漁業は輸出拡大を再構築する]
ロシアスケトウダラ漁業者協会(会長ゲルマン・ズベレフ)は、韓国市場のスケトウダラ不足を見こして、今後数年間で当該市場への輸出拡大を再構築する計画だと明らかにした。
ロシア政府が2016年6月3日付No.502により、外国人資本により不正に行われる漁業と、その漁獲割当を強制的に停止させる規則を承認して、韓国企業が極東のロシア漁業会社を実質管理し、ロシア排他的経済水域におけるスケトウダラ漁獲割当を年間約20万トン確保してきた合弁(ロシアフラッグ/韓国内国貨物扱)操業が再編されることになった。
また、政府間協定に基づく韓国漁船のロシア排他的経済水域における漁獲割当(韓国フラッグ/GG操業)は4万トンから2万トンに削減され、日本の原発事故によって同国からの輸入量も減り、韓国市場のスケトウダラ不足が始まっていると同協会は見ている。
現在、韓国のスケトウダラの年間消費量は26万トンと推定されている。
一方、2014年に4万トンだった韓国漁船のGG割当は、2015年、そして今年2016年2万トンとなっている。
2014年1月、韓国はロシア沿海地方への水産インフラへの2億5,000万ドルの投資計画を発表し、これに関連づけて4万トンのスケトウダラのGG割当を確保したが、このプロジェクトが実行されていないことから、2015年にそれが削減された。
また、日本の原発事故の影響で、同国からの生鮮でのスケトウダラの韓国の輸入量は激減している。
これらのことから同協会は、韓国市場へのスケトウダラ輸出の体制の再構築を検討しており、韓国とは一定数量について航空便を利用した物流についても交渉していると明らかにした。