韓国 近海イカ漁獲量 過去３２年間で最低

２０１９年０２月０４日
北海道機船漁業協同組合連合会　原口聖二
[韓国　近海イカ漁獲量　過去３２年間で最低]
２０１９年２月２日、韓国海洋水産部と統計庁は、昨年２０１８年の近海イカの漁獲量が３２年間で最低の４万３,１０９トンにとどまったと発表した。
前年２０１８年より半減で、直近５ケ年２０１３年-２０１７年の平均より約６５％減少した。
２０００年代初め、近海イカの漁獲量は２０万トン以上だったが、２００３年をピークに、その後減少傾向となり、２０１７年、１０万トンを割れた。
海洋水産部関係者は、冬の日本海と夏の黄海の水温等、海洋環境の変化の影響でイカの漁場形成が不振だったことに加え、近年の中国漁船の過度の漁獲による資源悪化により、イカの漁獲量が大幅に減少したと述べた。

資源管理の優等生ノルウェーサバに待った “獲りすぎ”で国際認証停止に

２０１９年０２月０４日
みなと新聞
[資源管理の優等生ノルウェーサバに待った　“獲りすぎ”で国際認証停止に]
日本でなじみが深いノルウェー産サバ
資源管理の優等生とされてきたノルウェーサバに待ったの声がかかった。持続的に利用されている水産資源を評価する海洋管理協議会（MSC）は1月31日付で、ノルウェーを含む北東大西洋8カ国にまたがる4つのサバ漁業に対し、認証を一時停止すると発表した。資源量に対し、漁獲量が過剰で“獲りすぎ”と判断したため。日本のスーパーが扱うサバのうち7割がノルウェー産との調査結果もあり、影響が懸念されている。
MSC認証が停止されるのは、アイスランド持続可能性協議会、持続可能な北アイルランド遠洋漁業グループなどの4漁業で、3月2日以降に漁獲されたものが対象。4漁業はアイスランド、北アイルランド、デンマーク、アイルランド、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、スコットランドにまたがる。MSCラベルを付けるなど、認証品として販売することができなくなる。
国際海洋開発理事会（ICES）によると、2011年に479万トンあった北西大西洋のサバの資源量は、その後の若齢魚の発生不足や過剰漁獲が重なり激減。18年以降、資源の安定利用に必要とみられる275万トン水準を下回っている。早期の回復に向け、漁獲を現状より68％少ない32万トンまで削る必要がある。
資源の悪化を受け昨年11月に開かれた緊急の第三者委員会でも、同資源は基準レベルに達していないと結論。結論は今年1月31日に発表され、同日、MSCも「漁獲が科学者の助言よりはるかに高い」などとして、認証停止を発表した。
MSCは「ICESは現在サバ資源の評価基準を検討中。今春にも資源状態の見方が改まり、資源が基準値を上回るとされる可能性がある。これが認証復活の礎となるかもしれない。ただ、科学的な助言を超え漁獲しては、問題を解決することはできない。沿岸国の科学的な資源管理・漁獲枠設定は引き続き必要だ」との姿勢を示している。
MSCは海のエコラベルとも呼ばれ、天然水産物の持続利用を証明する主要な認証。MSCによると、世界におけるMSC認証水産物の市場規模は16年度で56億米ドル。総漁獲重量は950万トンに達するとしており、全世界の漁獲量の12％を占める。日本では、イオンや日本生活協同組合連合会（日生協）などが積極的に扱っている。
ノルウェー産サバは、安定した漁獲量や脂のりが良い点などが評価され、国内市場を獲得。小売大手のイオンリテールはノルウェーサバをプライベートブランド製品に採用し、17年度に500万パックを販売した。
［みなと新聞2019年2月4日付の記事を再構成］