2020年01月07日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシア漁船”ピョトル・ペルヴィ” 生産記録を更新]
昨年2019年秋季、日本EEZに入漁した”Сигма Марин Технолоджи”(シグマ・マリン・テクノロジー)グループの”Тралфлот”(トラルフロート)社所属漁船”Петр I” (ピョトル・ペルヴィ:*ピョトル1世)が、他漁場を含め年間で8万7,297トンを漁獲・加工し、生産記録を樹立した。
”Петр I” は各層トロール漁船で、サバ操業ではトロール網を甲板上に引き上げ、総容量420トンの4つの冷却ダンブルに漁獲物を落とし、2つのポンプで加工ラインに供給する。
イワシ操業ではトロール網を甲板に引き上げることなく、フィッシュポンプで漁獲物を船内に供給する。
”Петр I”には2つの加工ラインが設備されている。
船内上部に位置する加工ラインNo.1は、38台の垂直ローディングフリーザーで構成されており、1日の生産能力は400トン-420トンとなっている。
加工ラインNo.2は、6台の水平フリーザーで構成され、1日の生産能力は80トンで、サバの”б/г”(H&G:ドレス)、ニシンのフィレ等の生産が行われる。
また、”Петр I”の冷凍製品の総保管能力は3,000トンとなっている。
”Петр I”は2019年の操業を完了し、2020年1月2日、釜山に入港、乗組員が入れ替わった。
”Петр I”はすぐに再び漁場に向かうことになる。
下船した乗組員は、空路、ウラヂオストク空港に同1月4日到着、ロシアの伝統に従ってパンと塩、音楽と花で、家族、関係者らに迎えられ、記録樹立の祝福を受けた。
*ピョトル1世は、モスクワ・ロシアのツァーリ、初代ロシア皇帝。大北方戦争での勝利により、ピョートル大帝と称される。ツァーリ・アレクセイ・ミハイロヴィチの六男で、母はナタリヤ・ナルイシキナ。ロシアをヨーロッパ列強の一員にし、スウェーデンからバルト海における世界の覇権を奪取、バルト海交易ルートを確保した。