2020年02月07日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ハバロフスク裁判所控訴審 一転 極東の“カニ王アレッグ・カンの逮捕請求が認められる]
ロシア・メディアは2020年2月6日、ハバロフスク裁判所控訴審において、極東の“カニ王”と称されたアレッグ・カン(Олег Кан)を対象としたロシア捜査委員会による逮捕請求が前日5日付けで認められたと一斉に伝えた。
同年1月下旬の第一審では、十分な証拠がなかったことを理由にこれが認められていなかった。
アレッグ・カンは2018年末にロシアを去っており、国際指名手配にリストされることになる。
アレッグ・カンは、同業他者のワレリイ・プヒデンコ(Валерий Пхиденко)が2010年にウラヂオストクで殺害された事件に関与した被告として、翌2011年、裁判にかけられたものの、その後、告訴が取り下げられ、2012年から2018年まで追加的捜査も中止された。
しかし、2019年初め、事件は、ロシア捜査委員会のサハリン支部から同ハバロフスク支部に移管された。
2020年1月23日、ロシア捜査委員会は、殺人事件への関与によりアレッグ・カンの逮捕を請求し、国際指名手配リストに載せられることになると発表していたが、これが認められていなかった。
一連の経緯について業界関係者の中には、水棲生物資源の漁獲割当の配分過程におけるオークション導入を拡大、産業に新規参入したい勢力が、肯定的な情報背景をつくるため、過去の漁獲実績に基づき配分を受ける既存勢力に”悪いイメージ”を与えるため等の背景分析もある。