2020年03月06日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[英国EU離脱 移行期間での第1次交渉 大変に深刻な相違 漁業分野]
英国とEUは、2020年3月2日から、ブリュッセルにおいて離脱後の双方の経済、外交等の条件を決める第1次交渉を開始、同5日これを終えた。
ロンドン経済紙(WEB)が伝えた。
交渉後の記者会見において、EU側首席交渉官のMichel Barnier(フランス)は、当該交渉において、5つの点で”very difficult disagreements”(大変に深刻な相違)があると明らかにした。
英国の交渉代表は、首相顧問David Frostが務めている。
David Frostは、漁業、刑事司法と法執行機関、さらに自由貿易協定の全体的な構造について合意していないとしている。
EUは、漁業分野の合意を、経済分野等の一部と関連付け英国海域への従前どおりのアクセスを求めているが、英国は独立した沿岸国として、毎年の漁業交渉により決定することを主張している。
また、英国漁業大臣George EusticeはEUに対する厳しい警告として、英国海域をEUの漁船から守るために英国海軍を派遣することを発表、そのため当該船舶と人員を増強すると加えている。
先に、一方のフランス大統領Emmanuel Macronは、漁業をめぐる戦争を宣言、英国がEUとの漁業交渉に合意しない場合、フランス漁業者がすべての英国水産物を陸揚する港を封鎖する可能性があると警告している。
なお、交渉は5月中旬まで5回行われることとなっており、次回は3月18日から同20日までの間、ロンドンで開催される。