2020年03月28日
リポート:北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[価格低下はあるもののロシア極東漁業の生産量はまだ前年を上回っている]
今年2020年漁期、4月上旬までを漁期とするオホーツク海抱卵スケトウダラ操業(Aシーズン)について、コロナウイルスの発生によるメインの製品仕向け先の中国陸上加工能力の低下に加え、ロシア政府による拡散防止対策により、同シーズンに今後見込まれた漁獲の最大25万トンを失う可能性があると同年3月中旬、ロシア・スケトウダラ漁業者協会は明らかにした。
ロシア衛生当局はコロナウイルスの好ましくない状況が記録されている国に寄港した漁船・運搬船に対する検疫目的のロシアの港への一旦の帰港、14日間の検疫期間を設定する等の勧告指導をロシア漁業庁に促した。
これに対して、ロシア漁業庁は、漁業を停止することなく必要な措置を講じることが可能だと発表、現場での迅速で合理的な対応案を衛生当局へ送付することとした。
2020年3月24日、ロシア漁業庁が行った、同年漁期のスケトウダラ操業部門本部会議では、製品価格の低下はあるものの、同年漁期開始からの極東海域におけるスケトウダラ操業の生産量は78万6,800トンで、前年2019年同期より6%上回っていると報告され、まだ、大きな活動の低下が確認されていないことが分かった。
ロシア漁業庁は24時間体制で状況を監視し、漁業者、水産加工業者から情報を受け取り、合理的に対応を行っているとし、現場においてコロナウイルス感染者は一人も確認されていないと発表した。