2021年11月10日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシア政府 水棲生物資源利用税引き上げ改正案 下院第1読会を通過]
ロシア下院は第1読会において、ロシア政府によって提出された水棲生物資源利用税引き上げのための税法改正案を承認した。
これはロシア連邦法草案”ロシア連邦税法第2条25.1項の改正”で、採択された場合、利用税は大幅な引き上げとなるが、同時に、自国造船所により漁船更新をした者、自国陸上加工場へ原料供給をする沿岸漁業着業者、高次加工製品の生産者等を対象に一部控除設定がされているほか、一定期間、小規模自治体や集落形成を担う企業への税率据え置き等の条件が盛り込まれている。
水棲生物資源利用税の見直しは、2015年の国会における大統領プーチンの指示に基づいている。
商業価値の高い主要魚種では、次のとおりとなる。
オホーツク海スケトウダラ 3,500ルーブル/トン ⇒ 4,300ルーブル/トン(約¥6.45/kg)
その他海域スケトウダラ 2,000ルーブル/トン ⇒ 4,300ルーブル/トン(約¥6.45/kg)
カレイ類 1,000ルーブル/トン ⇒ 2,100ルーブル/トン(約¥3.15/kg)
オヒョウ(カレスガレイを含む) 3,500ルーブル/トン ⇒ 12,600ルーブル/トン(約¥18.90/kg)
ベニザケ 20,000ルーブル/トン ⇒ 30,000ルーブル/トン(約¥45.00/kg)
タラバガニ 35,000ルーブル/トン ⇒ 80,000ルーブル/トン(約¥120.00/kg)
なお、政府案では各水棲生物資源の利用税のインデクスにデフレータ(名目値から物価上昇や下落などの変動部分を取り除き実質値を得るための係数)を用いることを盛り込んでいるが、当該係数設定が市場の実際の状況を反映しておらず、企業負担が不当に増加する可能性があると業界は懸念材料として指摘している。