2023年02月19日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[#14洋上風力発電と漁業 海外の経験 オーストラリア 漁業リスクに対する強い懸念]
南オーストラリア州沿岸住民は、提案されている洋上風力発電所が地元の漁業に影響を与える可能性があることを強く懸念している。
ポートランドの西、南オーストラリア州とビクトリア州の沖合 8km-20km に77基タービンを設置する1.1 GWの“サザン ウィンズ プロジェクト”は計画の初期段階にあるが、地元住民はロブスター漁業と環境への影響を危惧している。
開発者の“ブルー・フロート・エナジー”社は、プロジェクトの詳細な調査をまだ開始していない。
ライムストーン海岸の最南端の町“ポート・マクドネル”には、約800人が住んでいて、その沖合には、国内で最も生産性の高いロブスター漁場がいくつかある。
“サザン ウィンズ プロジェクト”のすべてのライセンスが承認された場合、建設期間は最長で8 年かかると予想されている。
“ブルー・フロート・エナジー”社が、2023年2月14日、住民説明会を行い、参加者はタービンの視覚的なダメージと漁業への影響に懸念を表明した。
漁業者のブロディ・ミルステッドは、漁業資源への影響ばかりでなく、環境、クジラなど、そこに住むすべてのものに影響を与えることを知っていると語り、オーストラリア南東部に雇用を生み出すとの説明についても、それは6年間から11年間程度のもので、一方の漁業と関連業の維持は何世代にもわたって関係者の家族を支えていくと加えた。
また、やはり漁業者のジェレミー・レビンズは、まだ答えられていない多くの疑問が残っていると語り、漁業資源等の生態系への影響に関する調査さえ行われていない点を指摘した。