2016年03月31日
モスクワ発
[シェスタコフがドブロフロート事件に言及]
2016年3月25日、税関当局と特殊部隊は、大手水産グループ企業“Доброфлот”(ドブロフロート)の同社所属加工母船“Всеволод Сибирцев”(フセヴォロド・シビルツエフ)にかかる事業に関して脱税容疑の捜査を行った。
この捜査は20名の治安部隊員が“Доброфлот”のオフィスを囲み、2機のヘリコプターから12名の特殊部隊員が母船“Всеволод Сибирцев”が乗り込む大規模な作戦だった。
“Доброфлот”側は、この捜査のあり方が過激すぎると受け止めており、農業副大臣(漁業庁長官)シェスタコフは、このような事件の再発を防ぐために税関当局との合同会議の設定を提案すると表明した。
また、シェスタコフは、漁業会社が外国船から加工原料を調達する際、関連する手続きに特別な注意を払う必要があると考えていると語った。
2016年03月31日
モスクワ発
[“ドブロフロート”脱税容疑捜査 トルトネフが税務当局へ状況報告を指示]
ロシア極東連邦管区大統領全権代表トルトネフは、極東税関当局とFSBの共同で行われている大手水産グループ企業“Доброфлот”(ドブロフロート)の同社所属加工母船“Всеволод Сибирцев”(フセヴォロド・シビルツエフ)の事業にかかる関税脱税に関する捜査について、その状況報告を提出するよう財務省と税関当局に指示した。
捜査活動には多数の職員に加え、母船乗船のためヘリコプターも投入された。
また、ロシア連邦天然資源環境省の環境・技術・原子力監督局は裁判所に対して、“Доброфлот”のグループ関係企業の2週間の事業停止の請求を提出したとされる。
この件について“Доброфлот”代表エフレモフは、トルトネフに書簡を送付し、外国のパートナーを含め、原魚を洋上で受け取り、ロシア旗のもと加工処理をした製品に関する扱いの法解釈の相違だと主張、関税法の曖昧な規則を指摘している。
これを受け、トルトネフは、この紛争に関する状況報告を提出するよう財務省と税関当局に指示した。
2016年03月29日
ウラヂオストク発
[“ドブロフロート” 関税脱税問題 内部関係者密告を示唆 ]
ロシア極東税関当局とFSBの共同捜査で行われている大手水産グループ企業 “ Доброфлот ”(ドブロフロート)の同社所属 加工 母船“ Всеволод Сибирцев ”(フセヴォロド・シビルツエフ)の事業にかかる関税脱税問題について、同社代表エフレモフは、内部関係者の密告の可能性を示唆した。
エフレモフは、当該事業において賃金の遅延問題が発生した事例があり、これに不満をもった従業員がいたとしている。
しかし、エフレモフは、この問題について、あくまで、 法解釈の相違であり、悪意を否定している。
2016年03月28日
ウラヂオストク発
[“ドブロフロート”脱税容疑で捜査 法解釈の相違]
ロシア極東税関当局は、大手水産グループ企業“Доброфлот”(ドブロフロート)を脱税容疑で捜査、関係書類等を押収したと発表した。
この捜査は、税関当局とFSBの共同で行われており、同社所属サンマ加工母船“Всеволод Сибирцев”(フセヴォロド・シビルツエフ)にも同時に職員が送り込まれた。
押収された情報は、税関当局とFSBにより、検査、照合されることになる。
問題となっているのは、昨年2015年、 “Всеволод Сибирцев”が洋上で受け取ったサンマ原魚を関税を支払わずロシア製品として販売したいくつかの契約に関するものとされる。
この件について“Доброфлот”代表エフレモフは、ロシア極東連邦管区大統領全権代表トルトネフに書簡を送付し、外国のパートナーを含め、原魚を洋上で受け取り、ロシア旗のもと加工処理をした製品に関する扱いの法解釈の相違だと等主張している。
(関連過去情報)
2015年04月19日 ウラヂオストク発
[3万2千トン級大型加工母船フセヴォロド・シビルツェフがロシア漁業復活後初めて帰還]
昨年2014年ロシア漁業に復帰し、同年7月から操業を開始した沿海地方企業”Южморрыбфлот”(ユジモルルイブフロート)所属3万2千トン級の大型加工母船”Всеволод Сибирцев”(フセヴォロド・シビルツェフ)が、サンマの受け入れ等、その第1回目の航海の任務を終え、ウラヂオストク港へ帰還した。
この間、洋上滞在はオホーツク海と南クリール海域の9ケ月間で、スケトウダラ、ニシン、そしてサンマ等の原料を受け入れ、洋上加工を行い、所属グループである“Доброфлот”(ドブロフロート)のブランド名を付け製品を生産してきた。
今次航海では、缶詰2,500万缶、冷凍魚2万3,000トン、そしてフィッシュ・ミール600トンと魚油125トン等が生産され、成功を収めた。
”Всеволод Сибирцев”は、わずかな時間を岸壁で過ごし、すぐに洋上へ戻る計画となっている。
(報告担当者 原口聖二: 次のYoutubeアドレスで“ドブロフロート”のプロモーションと大型加工母船“フセヴォロド・シビルツェフ”の活動等がご覧になれます。https://www.youtube.com/watch?v=2wjAaNOuNEA)
2015年04月08日 モスクワ発
[3万2千トン級大型加工母船フセヴォロド・シビルツェフの外国人乗組員増加]
この2年間、サンマ漁業へ投入されている沿海地方企業”Южморрыбфлот”(ユジモルルイブフロート)所属3万2千トン級の大型加工母船”Всеволод Сибирцев”(フセヴォロド・シビルツェフ)の外国人乗組員がインドネシア人を中心に57名に達したと同社代表が明らかにした。
大型加工母船”Всеволод Сибирцев”は、洋上でサンマ缶詰を“Доброфлот”(ドブロフロート)のブランド名を付け生産している。
ロシア漁業も乗組員不足の問題を抱えており、今日、外国人船員の雇用なしに、グローバルな発展は不可能だと同社代表は指摘し、採用されているインドネシア人は、皆、米国、オーストラリア、韓国、中国等の漁業会社で、豊富な経験をもっていると語った。
インドネシア人船員は、訓練センターにおいて、ロシアの法令を学び、実践的な訓練を受けており、一方、同社は、基礎的なロシア語の研修や船主責任保険(PI)の加入等を提供している。
2015年03月25日 ウラヂオストク発
[ユジモルルイブフロートが新たにサンマ冷凍運搬船を入手]
沿海地方企業”Южморрыбфлот”(ユジモルルイブフロート)は、サンマ加工向けの冷凍運搬船“Симфония”(シンフォニア)を韓国企業から入手した。
同社は昨年2014年から同型冷凍運搬船シリーズ(写真)の“Прогресс”(プログレス)と“Гармония”(ガルモニア)を入手しており、同シリーズ3隻全てが揃ったことになる。
冷凍運搬“Симфония”はサンマを、”Южморрыбфлот”の製品加工場へ原料供給することになる。
この冷凍運搬船シリーズは、極東海域で活動するためソ連時代に建造され、10年以上前、外国企業に売却された経緯にあり、これをロシア企業が買い戻した形となる。
なお、同社は、2011年に外国人の所有となった3万2千トン級の大型加工母船”Всеволод Сибирцев”(フセヴォロド・シビルツェフ)を、一昨年2013年、ロシア農業銀行の支援を受け買収、極東漁業へ投入し、洋上でサンマ缶詰を“Доброфлот”(ドブロフロート)のブランド名を付け生産している。
2015年03月19日 NHK
[公海サンマ漁 洋上でロシアに売り渡しへ]
北太平洋の公海のサンマ漁を巡り、水産庁の関連団体が、サンマを洋上で直接ロシアの水産会社に売り渡す取り引きを始めることにしました。
この海域のサンマ漁では、関係国の漁獲枠などを決める交渉が始まることになっていて、水産庁は、こうした取り組みを足がかりに実績を作り、今後、日本の漁獲枠を十分確保していきたいとしています。
北太平洋の公海のサンマは資源が豊富とされ、中国や台湾などが巨大な漁船を使って水揚げを伸ばしています。
しかし、日本が行っている近海の漁より輸送コストがかかるため、日本のサンマ漁船はこれまでほとんど出漁していませんでした。
これについて、この海域で試験的に漁を続けてきた水産庁の関連団体「水産総合研究センター」が、取ったサンマを日本の港に水揚げせず、洋上で直接ロシアの水産会社に売り渡す新たな取り引きをことし6月ごろから始めることにしました。
輸送コストを大幅に削減でき、民間のサンマ漁船による操業につなげたいとしています。
北太平洋の公海のサンマを含む水産資源を巡っては、日本をはじめカナダやロシア、中国など、7つの国と地域が参加する新たな国際条約がことし7月に発効し、漁獲枠などを決める交渉が始まることになっています。
水産庁は「こうした取り組みを足がかりに日本のサンマ漁の実績を作り、今後の交渉で漁獲枠を十分確保していきたい」と話しています。
2014年06月06日 モスクワ発
[3万2千トン級大型加工母船フセヴォロド・シビルツェフがロシア漁業に復活]
沿海地方企業”Южморрыбфлот”(ユジモルルイブフロート)は、2011年に外国人の所有となった3万2千トン級の大型加工母船*”Всеволод Сибирцев”(フセヴォロド・シビルツェフ)を、昨年2013年、ロシア農業銀行の支援を受け買収、極東漁業への投入を計画している。
”Всеволод Сибирцев”は、スケトウダラ、ニシン、サケマス、サンマ等の伝統的魚種原料に加え、TAC設定のない魚種を加工し製品を生産していくこととなる。
”Всеволод Сибирцев”は、缶詰製品等を洋上で生産するため、1989年にフィンランドで建造された。
*報告担当者 原口聖二 ”Всеволод Сибирцев”(フセヴォロド・シビルツェフ)
”Всеволод Сибирцев”と同様のタイプの大型加工母船は、1988年から1989年にかけ、フィンランドの造船所で3隻建造された。それは、”Содружество”(ソドルジェストヴァ)ПЗ-2301、Петр Житников”(ピョトル・ジチニコフ) ПЗ-2302、そして、この”Всеволод Сибирцев” ПЗ-2303。
”Всеволод Сибирцев”は、2011年12月以降、ギリシャ登記の会社によって、リベリア船籍、船名を*”HAINAN BAOSHA 001”として管理運航され、後に中国漁業へ投入された。中国漁業参加に関する経緯等の情報はない。”HAINAN BAOSHA 001”は、衛星情報によると、2013年8月15日、シンガポール沖合に位置していた。
そして、報告日である本日2014年6月7日、同衛星情報によると”Всеволод Сибирцев”は、中国大連長興島に位置している。長興島は渤海の東部にある島で、近年漁村から工業港に発展し、中日韓貿易区として開発中であり自由貿易区にする計画がある。主な産業は鉱業、水産業、そして造船業(世界第6位の造船メーカーである韓国のSTX造船が進出)。企業が税制優遇策により誘致され、すでに数百人の韓国人が働いている。
なお、次は”HAINAN BAOSHA 001”時代の関連過去情報。
2012年05月07日 台湾発
[中国は南シナ海に大型加工母船”HAINAN BAOSHA 001”を配備する]
中国は、近隣諸国との間で領土紛争が激化する中、南シナ海の漁船団へ大型加工母船”HAINAN BAOSHA 001”を投入して、支援体制を強化する。
”HAINAN BAOSHA 001”は3万2,000トンクラス、世界に存在する大型加工母船4隻の内の一つで、14の製品加工ラインが設備され、水産物を1日あたり2,100トンまで処理する能力をもち、600名の乗組員を収容できる。
これまで、中国の漁船団は、漁獲物処理設備が不足していて、漁場に長く滞在することができなかったが、 ”HAINAN BAOSHA 001”の投入で、最大9ヶ月間、漁船団は漁場にとどまり、操業を継続することが可能になる。