2021年11月12日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[北朝鮮 水産物取引で外貨獲得 韓国籍スパイ認定 北海道新聞]
これまでにロシアと日本の排他的経済水域におけるカニ密漁について、日ロIUU漁業防止協定発効以降、漁場から直接、あるいは燃料、食料等補給港を経由し、ロシア沿海地方ザルビノ・中国琿春・北朝鮮国境等の“カオス”地帯等へ製品を運び出すルート等の存在が指摘されていた経緯がある。
2021年11月12日付北海道新聞は、昨年秋に入管難民法違反容疑などで警視庁に逮捕された韓国籍の60代男と70代女が、北朝鮮の情報機関の工作員とみられる男の指示下で外貨獲得活動に協力していたことが11日、捜査関係者への取材で分かり、この中に水産物の取引も含まれていると伝えた。
なお、同記事では、北朝鮮を経由する再輸出する取引なのか、日本による北朝鮮産水産物輸入なのか等について言及はない。
2021年11月12日
北海道新聞
[北朝鮮、日本で外貨獲得か 警察「スパイ事件」認定]
昨年秋に入管難民法違反容疑などで警視庁に逮捕された韓国籍の60代男と70代女が、北朝鮮の情報機関の工作員とみられる男の指示下で外貨獲得活動に協力していたことが11日、捜査関係者への取材で分かった。日本の警察当局は北朝鮮が関係する「スパイ事件」と認定。国際社会の経済制裁下にある同国が張り巡らせている外貨獲得網の一端が裏付けられたとみて警戒を強めている。
捜査関係者によると、指示役の男は「リ・ホナム」などの名前で主に中国で活動。北朝鮮の情報機関「偵察総局」に所属していたとの情報があり、現在も外貨稼ぎの中心人物とみられ、男女には複数の関係者を介すなどして指示していた。韓国人元工作員の手記を基にした映画「工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男」に登場する北朝鮮高官の対外経済委員会所長のモデルとされる。
韓国籍の60代男と70代女は2016年末、東京都内のマンション一室に韓国製栄養ドリンクの輸入や販売を目的とする貿易会社を設立。在留資格外の会社経営に加え、不正取得した書類で入国したなどとして、警視庁公安部が昨年10、11月に逮捕した。
押収資料を分析した結果、男女が同社などを通じて北朝鮮との海産物取引や、ロシア極東の北朝鮮国境近くでの液化石油ガス(LPG)ターミナル建設計画に関わっていたことが判明した。
男女が別の事業などで得た資金も含めて一部は指示役の男に流れていたとみられ、警察当局は北朝鮮の情報機関が主導した外貨目的の工作活動だと判断。60代男は日本に長く暮らし、女は17年11月ごろから短期滞在資格で来日を繰り返しており、2人は協力者だったという。ともに起訴猶予となった。
指示役の男の動向を巡っては今年2月に韓国メディアが報道。聯合ニュースによると、男は19年末にロシア極東ウラジオストクのホテルで面会した韓国ガス公社職員に、北朝鮮が購入したロシア産ガスを公社で買い取ることが可能か尋ねたが、「難しい」と言われ頓挫したとされる。
(過去情報)
2013年11月29日 朝日新聞
[北朝鮮にスケトウダラ輸出容疑、貿易会社長ら逮捕 中国向け装う]
中国への輸出を装って北朝鮮にスケトウダラを輸出したとして、警視庁と鹿児島県警、第7管区海上保安本部などの合同捜査本部は29日、貿易会社「東アジアサービス」(東京都中央区)社長、XXXX容疑者(47)ら3人を外国為替法違反(無承認輸出)の疑いで逮捕した。警視庁公安部が発表した。3人は容疑を否認しているという。
発表によると、3人の逮捕容疑は2011年8月中旬ごろ、冷凍スケトウダラ約410トンを青森・八戸港から中国山東省にある水産会社に輸出するよう装って、北朝鮮の興南港に不正に輸出したというもの。
日本の税関にはこの水産会社を荷受先と申告しながら、実際は北朝鮮に直接積み荷を運んでいたという。北朝鮮政府は同年12月、平壌市民にスケトウダラとニシンを特別配給しており、公安部は関連を調べる。