内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

静かに沈み込む

2013-11-11 02:18:00 | 雑感

 人の気配のまったくない深い森の中の静まりかえった小さな湖の冷たい水の中を一人沈んでいくかのような絶望感に囚われている。そこから藻掻き抜け出そうという意志さえ持てない。助けを求めて叫んだところで、誰にも聞こえない。そもそも他人には助けようのない状態だ。そんな精神状態の中でも、昨日は職業上の義務から終日家で仕事をしていた。今日も一日講義の準備をしていた。だから、傍目にはただ坦々と寂しい日々の暮らしを送っているだけのように見えることだろう。いや、実際その通りなのだ。一昨日までシンポジウムやその後の会食で一緒だった人たちには、またそれとは違った印象を与えたかもしれない。そこでは快活にしゃべりもしたから。しかし、それら表面上の現れとは関わりなしに、私個人の絶望感と孤独感は深まるばかりだ。どこが底なのかもわからない。底はないのかもしれない。為す術もなく、ただ下降するにまかせながら、一日一日、意識の探照灯の明滅する微かな光を唯一の頼りとして、心の観測日誌を細々と書き付けている。