内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

綺羅星のごとく降り注ぐ音の光 ― J.Sバッハ編曲『オルガン協奏曲 イ短調 BWV593』

2013-11-25 03:29:00 | 私の好きな曲

 今日(24日日曜日)、火曜日以来4日ぶりにプールに行った。あまり混んでいなかったし、昨日の研究発表が終わって少し安堵したこともあり、いつもよりゆっくり時間をかけて泳いだ。1時間15分で2500メートル。プールに行きたかったのに行けなかったここ数日間のフラストレーションもこれで少しは解消され、気分の切り替えもできた。プールの後は、一日中、木曜日の二年生の近代史の講義の準備。テーマは日清戦争後の三国干渉から日露戦争を経て1910年の日韓併合までの政治経済史。来週が前期最終回になる。仏訳がネット上で簡単に入手できる丸山眞男「明治国家の思想」を資料として、明治期の政治思想を取り上げ、前期の締め括りとする予定(少しくらいは思想を語ってもいいでしょう、という気持ちです)。今日はあと同じ二年生の近代史の演習の第2回小テストの試験問題作成が残っている。
 今日の一曲は、バッハによるヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲イ短調のオルガン曲への編曲。数年前のこと、当時よく中古CDを物色しに通っていたサン・ミッシェル大通りに面した店で、突然この曲の第一楽章が大音量で鳴り響き始めた。仰天するとともに、そのあまりの音の美しさに呆然としてしまい、その場に佇ち尽くしたまま聴き入った。それはあたかも綺羅星のごとく降り注ぐ美音のシャワーを浴びているかのようであった。それが誰の演奏であったかは知らない。その後、同曲の収録されたCDを数枚購入したが、今聞いているのは、アンドレ・イゾワールの演奏。この卓越したフランス人巨匠オルガニストの演奏はどれも安心して聴ける。この演奏ももちろん秀演。