日本の大学に比べれば、一般に会議等の職業上の拘束時間も雑用もはるかに少ないことがフランスの大学の数少ないいいところの一つ(って、他に何かあるかな?)であるが、先週の木曜日から土曜日までの三日間のシンポジウムや今日日曜日の日本語能力試験の監督(これからそのために出かけるところです)などのせいで、ここのところまったく休みがない。これが今週金曜日11日まで続く。個人的に、独り言的に、ため息とともに、「プチ・ブラック週間」と呼んでいる(なんて言ったら、「甘ったれてるんじゃねぇ!」と、本当にブラックなお仕事をされている方たちに殴られますね)。
とはいえ、担当授業を除けば、私自身が主たる責任を負う立場にはいずれの場合もないので、決められた時間に決められた場所に行き、決められた責務を果たせばいいだけのことなので、精神的負担は小さい。
それに、体力的にも余裕がある。今朝もプールに行って帰ってきたところで、この記事を書いている。冬時間の期間、土日は8時開門なので、開門時には空はもうすっかり明るくなっているが、月曜から木曜までは7時開門で、この季節、まだ夜明け前。屋外プールで、水面に白い湯気が立ち上る中、天空には月を仰ぎ見ながら泳ぐこともしばしばある。これを「夢現泳」(「むげんえい」、あるいは「ゆめうつつのおよぎ」)と私は名づけている。
来週は、試験と演習が二つずつあるだけ。それで年内の職業的義務はすべて終了である。答案とレポートの採点がその後に残ってはいるが、それらの枚数はたかが知れているので、帰国前の二日で片付くであろう。
今年のストラスブールの冬は、12月に入っても異常なまでに暖かい。自転車での移動もまったく苦にならないどころか、冬用のコートを着て少し飛ばして10分も走ると汗が出てくるほどである。自宅では暖房もまだほとんど使っていない。それは、室内温度が全自動ガス暖房システムの設定温度である18度以下になるということがまだほとんどないということを意味している。これは家計にとってとてもありがたいことである。しかし、これって、誰に感謝すればいいのだろうか。いや、そもそも喜んでばかりもいられないことなのではないだろうか。