一週間後、来週の月曜日から集中講義が始まる。その準備も本格化している。で、今日から集中講義が終了する八月四日まで、このブログの記事はいつもより短くなる。
テキストであるメルロ=ポンティの『眼と精神』は、三十数年前にはじめて精読してから、折に触れて読み返してきた。2006年の春から夏にかけて、私が指南役となって数名の日本人留学生たちと読書会を開き、その仕上げとして、ブルターニュの小さな村で合宿までした。懐かしい。
ここ数年、谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』の一部を陰翳の現象学的記述として読むための視座を与えるテキストして、授業、講演、研究発表等で繰り返し取り上げても来た。私にとって、いわばもっとも手に馴染んだ哲学書である。
とはいえ、全文掌を指すが如くという境地にはほど遠い。読むたびごとに発見がある。だからこそ読み直すのが楽しくもある。そんな楽しさを学生たちと分かち合いたい。それが今回の集中講義の目的だと言ってもよいくらいである。