先日の新聞に、夏山遭難のレポートが掲載されていたが、山岳事故の件数が統計を取り始めて以来最多であると報じていた。
特に死者・行方不明者のうち、中高年が大多数を占めているとも書いてあった。
無謀登山と非難されることが多いが、登山者の大部分が中高年で占められているので、遭難者もそれに比例して増えるのは当然ことかも知れない。
私も登山愛好者の一人として、山で事故にあわないように、体力の温存法と装備に工夫して安全登山に心がけている。
年々衰えていく体力を補うため、以前は筋トレや足にウエイトを付けてウォーキングをするなどして鍛えていた。
しかし、現状維持はおろか、体力や筋力の衰えを補うことも出来ず、今は、楽しくもないトレーニングでエネルギーを浪費するよりは、年相応の体力で登れるように工夫しながら楽しんでいる。
急ぐことは無いので、標準コースタイムの1.5倍以上をかけて歩き、休憩ピッチも30分歩いて5分休み、荷物も軽量化するなどして、肉体的な衰えをカバーしている。
装備に関しては、登山は歩くことが基本なので、靴は冬用、軽登山、トレッキング用をそろえて、目的の山や季節によって使い分けている。
素材も皮や布製で、くるぶしまでしっかり包み、底も安定していてブレーキ性能がよく、軽量であることを条件に選んでいる。
ウェアは雨具が重要で、高い稜線で濡れて風に吹かれると、致命的なダメージを受けるので、防水と防風性能が優れたゴアテックスの上下セパレートを使っている。
肌着は吸湿と速乾性に優れた高機能ウエアがもっとも快適で、一度使うと手放せない。
いずれも、通常の製品に比べてかなり高額だが、命には代えられない。
軽くて安全性に優れた用具は、お金を出せば手に入るが、自分の体力に合った山を選び、天候や体調の悪い時は、いつでも引き返すだけの余裕がなかなか持てないようだ。