目が覚めて、部屋のカーテンを開けると
池越しの桜が目に飛び込んでくる。
ベランダへ出ると
空気が少しひんやりとしていたが
外は穏やかな花見日和だった。
池を一周して、近所を散歩してきたが
そこかしこの桜はどこも満開だ。
午後、孫たちが訪ねてきたので
一緒に池のまわりで花見を楽しんだ。
部屋に戻ると、隅から隅まで見て回り
冷蔵庫や戸棚の中まで覗いていた。
おじいちゃんがここへ来た理由がわかったと
訳が分かったような分からないような
言葉を残して、引き上げて行った。
眺めの良さに感心したのか
ものの無いシンプルな暮らしを
理解してのことだろうか。