kotoba日記                     小久保圭介

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小屋にて

2013年02月06日 | 生活
二月の雨にしては
冷たくない
そのように感じて
一年前の記憶を
誰それに訊いてみる
「去年は12月と1月が寒かった」
すっかり忘れている
ただ今年の二月は寒くはない

小さな小屋には
荷が所狭し
置いてあって
机の上には
書類があった
その間で
400円の弁当を食べていた
ヒーターが二つ
高速の沸騰器
黄色い電球の灯り
ここにも
幸せがある
私たちは
食べることができ
体を温めることができ
灯りで字を書くことも読むこともできる
静かな気持ちで
小窓の曇りを
手で拭って
雨は見えぬが
雨に当たって
濡れる事物を
目が
見ることができるのだ
物を考え
物を思い
記憶や
妄想さえ
自由である
わたしの頭の中は
どこへ繋がるのか判らない線をもち
外部への接続は無線になって
及ばぬところに
繋がる時がある
その至福は
この
ささやかな
小屋にいて
馬の到来さえ
予感できるのだ
馬が来れば
馬小屋ができ
藁が積まれる

ダンテの神曲を
挿絵の大型本で
何度も読んだ
あのとき
挿絵の光を
わたしの目は見ていた


コメント
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