3階で用事を済ませ
エスカレーターで
おりてみる
あの場所で
本に目を落としていた
何を
読んでいたのだろう
知らぬまま
時は過ぎ
わたしたち
冬至の過ぎた
だんだん
日暮れがながくなってゆく
坂道を
ゆっくり下り
店に入る
金目鯛を見て
何事かを言い
「今年はどうだった?」
「とくにないね」
と応答するが
そのうち
3人
話が繋がるわけじゃなく
誰かが何かを言って
誰かが何かを言って
気がつけば
みな
話を聞かず
好きなことを
しゃべっている
そんなつき合いが
すでに20年も続いている
半年ぶりに会ったのに
まるで昨日会ったみたいで
好き勝手
歌を歌えば
誰も聞かず
みな
好きな歌を
歌っている
「じゃあねまた来年」
「よいお年を」
とかなんとか
よそ事を思いながら
バイバイの代わりに言ってみて
違う地下鉄に乗って
家に帰る
よい
お年を
エスカレーターで
おりてみる
あの場所で
本に目を落としていた
何を
読んでいたのだろう
知らぬまま
時は過ぎ
わたしたち
冬至の過ぎた
だんだん
日暮れがながくなってゆく
坂道を
ゆっくり下り
店に入る
金目鯛を見て
何事かを言い
「今年はどうだった?」
「とくにないね」
と応答するが
そのうち
3人
話が繋がるわけじゃなく
誰かが何かを言って
誰かが何かを言って
気がつけば
みな
話を聞かず
好きなことを
しゃべっている
そんなつき合いが
すでに20年も続いている
半年ぶりに会ったのに
まるで昨日会ったみたいで
好き勝手
歌を歌えば
誰も聞かず
みな
好きな歌を
歌っている
「じゃあねまた来年」
「よいお年を」
とかなんとか
よそ事を思いながら
バイバイの代わりに言ってみて
違う地下鉄に乗って
家に帰る
よい
お年を