kotoba日記                     小久保圭介

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友達

2016年05月22日 | 生活
夕方
地下鉄に乗って
待ち合わせ

彼らはずっと変わりなく
いつもの口調で
静かな声で
後ろで
名を呼ぶ
新聞を読んでいた
ので
振り返り

コメダでコーヒーを飲み
となりのうどん屋へ行くと思っていたら
「ここは食べあきたので」
と車に乗って
「15分くらいだよ」
と初めて入るチェーン店
うどんをこねているところが
目前で見える
まあまあのお客の列に並び
うどんをこね
機械で麺にして
沸騰したお湯に
大ざるでゆでる
それを一杯のかけうどんの量に
小分けしてゆく
手づかみで
その量は計られている

かき揚げが大きくて
うどんもすこぶる
おいしかった
残ったかき揚げを紙に包み
油が沁みてくるので
また一枚重ねて包み
最後はビニール袋に入れて
リュックのサイドャPットに入れる

昼間
食材を買う時間がなかったので
バローに寄ってもらい
リュックに必要な食材を
入れて
飲むヨーグルトが最近の
習慣
食パンも安く
安いものだけを選んで

じゃあまたね
いつものように
別れて
家に帰る
「あれから何年?」
訊ねていた
「19年」
「そう」
彼らにはどんな19年だったのだろう
彼ら
一生抱えてゆく
いとおしい
大切な思い

いつまでも
忘れることはなく
その穴を埋めるすべはなく
ただ19年という
歳月が過ぎ

一度だって
彼らが背負っている思いを
理解しようと思ったことはない
理屈ではなく
解けることではない
黙って
彼らと一緒にいる
わたしたち
3人
うどんを食べ
ニコニコ笑い
いつまで経っても
とくに話すことなく
意見することなく
共通の趣味なんてない
それでも
わたしたち
いつも会っては
何をするわけじゃない
3人
ぼお、
っと過ごしている

もう一人
共通の友達がいて
SNSにいるという
驚いて
夜になってから
連絡をしてみたら
とても喜んでくれた
「感動さえある」
なんて
変わらず
素敵なこころの友達

ほどなく4人か5人かもっとか、
一緒にご飯を食べ
たぶん
何を話すわけじゃなく
同じ時空の中で
静かにしているに
違いない