あの人はその言葉に
傷ついたんだと思う
というのは
その言葉を受けたとき
言葉は胸の中心に当たり
深く奥まで行ってしまい
その痛みを忘れるために
言葉を
なかったことにしたから
普通に笑い
普通な態度をとり
あの人は自身を欺くために
必死だった
生きねばならぬから
けれど
時が経つにつれ
その言葉は
胸の中心の奥にとどまったまま
あの人は自身からも
言葉からも逃げて
逃げ帰った
そこにはあの人の家があった
家で無力になり
寝そべった
けれど
なぜ
無力になっているのかがわからない
まだあの人は自身を欺いていたのだ
ゆっくりと
あの人の胸の中心を突いた言葉の弾が
痛みを感じ
ああ
またか
と思って
暗がりの中
一人
寝そべるしか
すべはない
食欲はなく
恨みはなく
言葉の一文字ずつを
回想してくる脳
こんなに苦しんで
生きなければ
いけないのか
こんなに傷ついて
生きなければ
いけないのか
時が癒すとわかっていても
痛みの強烈は
あの人を叩いた
叩き続けた
痛みに耐え
じっとしている
そうやって
二時間
やっと立ち上がり
あの人は
硬い食パンを口に入れ
咀嚼行為は
脳と口にまかせていた
生きるために
人は食べる
それは
本能であっても
こんなわたしでも
腹がへるのか
と涙を流しながら
あの人は食べる
硬い食パンを
水を飲み
夜の中に沈んでゆく
一人で
交わらず
それは孤独ではない
孤独とは
もっと茫然としていて
朦朧としている
孤独とは
誰も信じないこと
人はあの人を痛めつけ
自然界はあの人を包み込む
それが本物の
孤独だ
傷ついたことを
悟られまいと
必死に生きる
その言葉を発した人に
いつもの態度
いつもの対応をする
けれど
こころはその人を
すでに遠ざけようとする
なぜって
一度傷つける人は
また同じように
くり返すことを
あの人は知っているから
悪意はなくても
そうするから
静かにしている
言葉のない場所で
見つからぬところで
あの人は一人で
静かにしている
獣の如く
自身で治していく
生きるため
傷ついたんだと思う
というのは
その言葉を受けたとき
言葉は胸の中心に当たり
深く奥まで行ってしまい
その痛みを忘れるために
言葉を
なかったことにしたから
普通に笑い
普通な態度をとり
あの人は自身を欺くために
必死だった
生きねばならぬから
けれど
時が経つにつれ
その言葉は
胸の中心の奥にとどまったまま
あの人は自身からも
言葉からも逃げて
逃げ帰った
そこにはあの人の家があった
家で無力になり
寝そべった
けれど
なぜ
無力になっているのかがわからない
まだあの人は自身を欺いていたのだ
ゆっくりと
あの人の胸の中心を突いた言葉の弾が
痛みを感じ
ああ
またか
と思って
暗がりの中
一人
寝そべるしか
すべはない
食欲はなく
恨みはなく
言葉の一文字ずつを
回想してくる脳
こんなに苦しんで
生きなければ
いけないのか
こんなに傷ついて
生きなければ
いけないのか
時が癒すとわかっていても
痛みの強烈は
あの人を叩いた
叩き続けた
痛みに耐え
じっとしている
そうやって
二時間
やっと立ち上がり
あの人は
硬い食パンを口に入れ
咀嚼行為は
脳と口にまかせていた
生きるために
人は食べる
それは
本能であっても
こんなわたしでも
腹がへるのか
と涙を流しながら
あの人は食べる
硬い食パンを
水を飲み
夜の中に沈んでゆく
一人で
交わらず
それは孤独ではない
孤独とは
もっと茫然としていて
朦朧としている
孤独とは
誰も信じないこと
人はあの人を痛めつけ
自然界はあの人を包み込む
それが本物の
孤独だ
傷ついたことを
悟られまいと
必死に生きる
その言葉を発した人に
いつもの態度
いつもの対応をする
けれど
こころはその人を
すでに遠ざけようとする
なぜって
一度傷つける人は
また同じように
くり返すことを
あの人は知っているから
悪意はなくても
そうするから
静かにしている
言葉のない場所で
見つからぬところで
あの人は一人で
静かにしている
獣の如く
自身で治していく
生きるため