中国商務省と税関総署は10月20日、一部の黒鉛(グラファイト)の輸出を規制すると発表した。
安全保障上の必要に応じてハイテク製品などの輸出を禁止できる「輸出管理法」に基づく措置で、12月1日から実施する。
黒鉛は電気自動車(EV)などのリチウムイオン電池の材料となり、囲い込みを狙っている可能性もある。
黒鉛は電池以外にもさまざまな工業用途に使われており、中国が世界最大の生産国で輸出国だという。
米地質調査所(USGS)によると、中国の天然黒鉛の世界シェアは2022年時点で65%を占めた。
日本政府関係者によると、日本は大部分を中国からの輸入に依存。
松野官房長官は10月20日の記者会見で、意図や運用方針を確認した上で「不当な措置であれば、ルールに基づき適切に対応する」と述べた。
中国は今回の輸出規制が特定の国や地域を標的としたものではなく、要件を満たせば許可されるとしている。
ただ、米国が先端半導体分野などで中国に対する圧力を強めており対抗措置だとの見方もある。
商務省は発表で「国家安全と利益を守るためだ」と説明した。
世界的なサプライチェーン(供給網)の安全と安定に資するとも指摘した。
中国ではEVの普及が進んでいるほか、車載電池で世界首位のシェアを握る寧徳時代新能源科技(CATL)や比亜迪(BYD)が市場で存在感を高めている。
中国は8月1日に、半導体材料に使われるガリウムとゲルマニウムの関連品目について、安全保障上の必要があるとして輸出規制を発動した。
いつもの中国のやり方には腹が立つ。
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