トランプ米大統領は9月7日、日本と進めている貿易協議に関し「(新しい)合意ができなければ、大きな問題になることを日本も認識している」と述べた。
貿易赤字削減を求めるトランプ氏が2国間の自由貿易協定(FTA)を念頭に、具体的な対応策を求めて日本に警告した形だ。
米国はこれまで、鉄鋼などの輸入制限発動に加え、自動車への追加関税もちらつかせて、欧州連合(EU)との貿易協議や、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を進め、一定の譲歩を勝ち取つてきた。
主な貿易赤字相手国の中で残る日本を次の標的とし、高関税を振りかざして、牛肉など農産物の市場開放を迫る可能性がある。
FTA交渉入りを突っぱね続け、米国から車の高関税を課されるのが日本にとって最悪のシナリオだ。
政府内では9月下旬の日米首脳会談が「FTA交渉の出発点になる」と弱気な声が漏れる。
多国間の自由貿易体制を重視してきた日本の戦略が突き崩される展開が現実味を帯び始めた。
トランプ氏は記者団に対し、対日貿易赤字の解消を念頭に「日本は(米国からの)報復がないと感じていた。 (オバマ前米政権は)弱腰姿勢と思われていたが、現政権には正反対の感情を抱いている」と述べた。
前政権と異なると強調し、日本にも強硬姿勢で臨む考えをにじませた。
これまで日本に貿易問題で圧力を強めてこなかったのは「中国との問題に取り組んでいるからだ」と語った。
日米両政府は8月、新たな閣僚級の貿易協議を開いたが、双方の意見の隔たりを埋める大きな進展はなかった。
9月に第2回を開くほか、麻生副総理兼財務相とペンス副大統領による日米経済対話の開催も検討している。トランプが日本に牙をむいてきた。
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