広島大や国際電気通信基礎技術研究所の研究チームは2月13日、MRIを用いてうつ病の診断を客観的に支援する手法について、新たなデータを明らかにした。
一般の医師がうつ病患者を正しく診断できる確率は5割程度とされる中、7割程度の精度を得た。
「実用化へ前進した」とし、早期治療につながることが期待される。
チームは脳内を379の領域に分けてそれぞれがどのように作用し合うかを研究。
健常者とは異なる、うつ病患者に特徴的な関係性を示す25組を見つけ出し、患者を割り出す人工知能(AI)を2020年に開発した。
そこから約2年間、実用化に向けて検証を重ねてきた。
チームは今回新たに、うつ病患者43人の脳画像を撮影し、AIは31人(72・1%)をうつ病と診断。
一方、健常者33人のデータも取り、健常者と診断したのは22人(66・7%)だった。
患者を患者、健常者を健常者と見分ける精度は全体で69・7%としている。
共同研究する企業が3月末までにAI技術を医薬品医療機器総合機構(PMDA)に承認申請する予定となっている。
うつ病は問診で診断されてきた。
チームの広島大大学院の岡田准教授は「客観的な手法に基づかない診断を心もとないと思う患者や家族が安心して治療を受けられる手法にしたい」と話している。
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