米国防総省のデービス報道部長は12月16日、中国海軍の軍艦が南シナ海の公海上で現地時間の12月15日午後、米海軍所属の海洋調査船が運用していた無人の水中探査機1機を奪つたと記者団に明らかにした。
米側は国際法に反する行為だとして外交ルートを通じて中国に抗議し、返還を求めた。
南シナ海の軍事拠点化を進める中国に対し、トランプ次期米大統領は厳しい言動を続けており、探査機奪取はそれに対抗する中国の挑発行為の可能性もある。
中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(電子版)によると、中国軍関係者は12月17日「不明な装置を発見し、航行上の安全の問題が起きるのを防ぐために調査している」と述べ、捕獲の事実を確認。
その上で、米側からの返還請求を受け「(米中)双方の関係部門が意思疎通を続けている」と明らかにした。
中国外務省の報道官も、共同通信に「双方は軍のルートを通じて適切な処理を行っている」と述べ、協議を通じて事態が円滑に解決されるとの見方を示した。
今回の問題をエスカレートさせたくないとの意思をひとまず示した形だが、来年1月に発足する米新政権の出方次第では、米中のせめぎ合いがさらに強まる恐れもある。
現場はフィリピンのスービック湾から北西約90キロの海域。
デービス氏によると、探査機は潜水艦などの本甲音波探知機(ソナー)の運用に役立てるため、海の透明度や水温、塩分などのデー夕を収集していた。
調査船が12月15日に探査機2機を回収しようとした際、中国軍艦が接近し、うち1機を奪った。
調査船は中国軍艦と交信し返還を求めたが、中国側は無視して現場から離れたという。
デービス氏は探査機について「合法的に調査していた 。米国の所有であることも明記している」と強調した。
日本はロシアに、米国は中国にやられ放題。
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