外国人技能実習・特定技能両制度の見直しを検討する政府有識者会議が10月18日開かれ、事務局が最終報告の試案を示した。
技能実習に代わる新制度は、一つの職場に1年以上勤め、一定の技能や日本語能力があることを条件に、同じ分野で職場を変える「転籍」を認める。
受け入れを仲介し、企業を指導・監督する監理団体は、役職員などの要件を厳格化。
賃金の未払いや、ハラスメントなど人権侵害の抑止を図る。
労働力不足が進む中で、外国人労働者の中長期的な就労につなげるのが狙い。
有識者会議はさらに議論し、11月にも最終報告書を取りまとめる。
政府は報告を踏まえ、来年の通常国会への関連法案提出を目指す。
新制度は人材確保・育成を目的に掲げる。
現在の技能実習と特定技能は受け入れる職種の分野が異なるが、新制度は業界の意見を踏まえて特定技能とそろえる方針。
特定技能水準の人材を3年間で育てるとしており、特定技能への移行を促す。
技能実習では原則転籍が認められず、失踪者が相次いだ。
新制度の対象者には来日時、5段階の日本語能力試験で最も低い5級レベルを求め、同程度の日本語力や技能検定合格を条件に、希望すれば転籍を認める。
転籍はハローワークなどがサポートする。
特定技能への移行は、より高い技能と日本語試験4級レベルを要件とした。
日本語能力を重視しており、学習機会確保が重要になる。
10月18日の会議後、座長を務める国際協力機構(JICA)の田中明彦理事長は「共生社会をつくる上で、日本語能力は重要だ。 国の役割として日本語を学びやすくすることが大事だ」と述べた。
試案では、監理団体の在り方も見直す。
受け入れ先企業が役職員を兼ねる場合に適切に監督できないとの指摘があり、兼務の制限や、外部弁護士らによる監視強化を打ち出した。
ただ、委員から「現実的でない」との意見もあり、議論を続ける。
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