政府は5月24日、健康保険証とマイナンバーカードを一体化させた「マイナ保険証」を巡り、対応する医療機関が受け取る診療報酬の加算を見直す方向で本格検討に入った。
医療機関の取り組みを促し、カードの普及につなげるため、4月から加算しているが、患者の窓口負担が増えることに批判が相次いだ。
開始直後の見直し検討は異例。
6月にまとめる政府の経済財政運営の指針「骨太方針」に反映。
見直しの具体策や、医療機関への財政支援などは、今後、中央社会保険医療協議会や厚生労働省の審議会で話し合う。
後藤厚労相は5月24日の記者会見で「(診療報酬上の)取り扱いについて検討していく」と述べた。
マイナ保険証を読み取る機械の導入などは現在は医療機関の任意だが、2023年4月から原則義務化。
2024年度以降に現行の保険証廃止を目指す。
今回の診療報酬の加算は、マイナ保険証で受診できる病院などを増やすため、今年4月の報酬改定で盛り込まれた。
診療報酬の一部は患者が負担する仕組み。
公的保険で負担が3割の患者は、マイナ保険証で受診した場合、窓ロでの支払いが初診で21円、再診で12円増える。
従来の保険証でも2024年3月までは初診で9円増える。
マイナ保険証を使えば、患者が同意した場合に医師らが過去の特定健診や処方薬の情報を把握できる利点がある。
ただ、全国の病院や診療所、薬局の計約23万施設のうち、今年5月15日時点でマイナ保険証に対応するのは約4万ヵ所(19%)にとどまっている。
診療報酬改定を巡っては、妊婦が病気やけがで医療機関を外来受診した際に初診料などを上乗せず「妊婦加算」(2018年4月開始)が批判を受け、2019年に凍結、2020年に廃止された。
マイナ保険証と従来の保険証とで加算額の差が出るのは、初めからおかしな話で、今更の感。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます