障害の程度によっては取得できないと規定されている国家資格のうち、小型船舶操縦士や看護師など37種類は2016~2023年度、障害のある人に計3316件が交付され、却下はゼロだったことが1月7日、分かった。
試験に合格後、取得を申請した人全員が認められていた。
当事者らの団体は「規定が形骸化していることは明らかで、撤廃するべきだ」と訴えている。
一定の理由で特定の職や地位に就くのを制限する規定は「欠格条項」と呼ばれる。
重度障害があるれいわ新選組の天畠参院議員は2024年4~6月、障害を理由とする国家資格の欠格条項について調査。
厚生労働、農林水産など6省から回答があった。
3316件を資格・免許別にみると、小型船舶操縦士の1912件が最多。
看護師425件、美容師268件、薬剤師131件と続いた。
他省庁は調査に「把握していない」などと回答し、却下の有無を確認できなかったとしている。
障害を理由に「免許を与えない」などとする欠格条項は、2001年の法改正で「心身の障害で業務を適正に行うことができない者に、免許を与えないことがある」などと一部緩和された。
障害者欠格条項をなくす会によると、欠格条項のある法令は約700あり、資格・免許の他、法人役員の就任を制限できる内容もある。
臼井事務局長は「条項があると、試験に合格しても免許が交付されないのではないかと考え、挑戦を諦める人が出かねない」と懸念。審査が厳格な医師免許も、精神機能や聴覚機能に障害がある人からの計59件がすべて交付されており「法令から条項を撤廃し、障害がある人の社会参加を後押しするべきだ」と強調している。
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