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知人装う詐欺メール急増 ID・パスワード盗難恐れ

2021年06月14日 | 社会

インターネットにあなたの写真が載っている。

そんな内容のショートメールがスマートフォンに送り付けられる事例が相次いでいる。

不安をあおって不正サイトに誘導し、スマホのIDなどの個人情報を盗む「フィッシング」詐欺のメールだ。

広島県警には5月以降、少なくとも十数件の相談が寄せられた。

犯人がスマホを乗っ取り、電話帳に登録されている人にメールを拡散させているとみられる。

知人の名前で届くこともあり注意が必要だ。

県警によると、ショートメールには「気をつけてよ! 写真がネットに載ってるじゃん、気まずいな!」との文章にURLが添付されている。

米アップルの「IPhone」の場合、そのURLのサイトに接続しようとすると自身のスマホのIDやパスワードの入力を求められる。

入力すれば、その情報が抜き取られる。

アンドロイド端末では不正アプリをインストールさせようとする。

犯人がスマホを遠隔操作できるようになり、そのスマホの電話帳登録者に同様のショートメールを送信する。

このため受け取った人のスマホに、メール送信者として知人の登剛が表示される場合がある。

県警は、盗まれたIDやパスワードが、ネットショッピング代金などをスマホの料金と併せて支払う「キャリア決済」で悪用される恐れがあるとみる。

今回の詐欺メールで、県内では、身に覚えのない代金が請求されるといった被害は確認されていないという。

フィッシング詐欺で、ショートメッセージサービス(SMS)を使う手口は「スミッシング」とも呼ばれる。

これまでに大壬モ配業者や皆作電話事業者などをかたるショートメールが出回っている。

情報セキュリティー会社トレンドマイクロは、不正アプリに感染したスマホから5月以降、不特定多数にショートメールが送信されているのを確認した。

同社は「ネットの写真掲載を注意するメールは既に全国に広がっている」とみる。

中国地方では、各県警への取材で少なくとも山ロが3件、島根で2件の相談があった。

岡山はゼロで、鳥取は明らかにしていない。

同社の調査では国内で2ひ20年7~12月、フィッシング詐欺に絡んで不正サイトに誘導されたケースは約386万件。

2019年同期(約185万件)の約2・1倍に上る。

広島県警サイバー犯罪対策謀は「犯行グループはあの手この手で個人情報を狙ってくる。

知人からのショートメールでも不審なものは無視して」と呼び掛けている。


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