暑さに伴う65歳以上の高齢者の年間死者数は2023年に過去最多となり1990年代の暑さに伴う平均年間死者数の2・67倍になったと世界保健機関(WHO)などの国際チームが英医学誌ランセットに10月30日発表した。
地球温暖化の影響を排除し人口変動だけを考慮した場合に想定される1・65倍を大幅に上回った。
大量の温室効果ガスを排出する化石燃料の利用を続ける各国の政府や企業に対し、チームは「世界中の人々の生存可能性を狭めている」と厳しく批判した。
温暖化対策を協議する国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)が11月11日からアゼルバイジャンで開幕するのを前に、温暖化が人や環境に与えた影響を分析した。
暑さに伴う死者数は、世界の人口規模や疫学データ、気温上昇による死亡リスク増加などから算出。
死者の実人数は公表していない。
温暖化に伴い、感染症を媒介する蚊の生息域が拡大。
2023年は過去最高の500万件を超えるデング熱の感染例が80以上の国や地域で報告された。
樹木で覆われた面積の5%に相当する約1億8200万ヘクタールの森林が2016年から2022年にかけて破壊され、二酸化炭素の吸収能力が低下したと指摘。
2022年には食料不足に悩む人が1981~2010年の年間平均に比べて1億5100万人増えたとしている。
異常気象がもたらした世界の経済損失は2019年から2023年にかけ、年間2270億ドル(約35兆円)と試算。
国別では、日本は再生可能エネルギーの普及が遅れ、化石燃料が継続的に使われている影響で大気汚染が深刻と指摘した。
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