人の人工多能性幹細(iPS細胞)から角膜の細胞を作り、角膜を損傷した患者に移植して再生する西田・大阪大教授のチームの臨床研究計画を、学内の審査委員会が12月26日、大筋で承認した。
チームは来年1月中に厚生労働省に臨床研究の実施を申請し、承認が得られれば、5、6月中に1例目の移植を実施したいという。
角膜は目の中央にある直径約11ミリ、厚さ約O・5ミリの透明な膜で、レンズの役割を持つ。
病気やけがで損傷すると視力低下や失明に至る。
計画では、角膜部分が濁り視力障害などを来す角膜上皮幹細胞疲弊症の重症の成人患者4人に、京都大に備蓄された他人のiPS細胞から作った角膜の細胞を培養し、厚さ0・05ミリのシート状にした上で移植。
細胞数は数百万個という。
iPS細胞で懸念される腫瘍化が起きないかなど安全性や有効性を検証する。
提供された角膜を移植する治療法は既にあるが、提供者の確保が必要なほか、
拒絶反応の心配がある。
西田教授は12月26日、「臨床研究は第一歩。 この手法を安全に早く患者さんに届けたい」と語った。
順調に進めば患者選定は来年2月に開始。
これまで2023年ごろの実用化を目指していたが、2024年ごろになる見通しと明らかにした。
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