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ニートになった、ならざるを得なかった理由

2013年09月24日 | 就職・雇用・労働

総務省統計局の2012年版就業構造基本調査によると、「若年無業者」(15~34歳の非労働力人口(求職活動をしていない人など)のうち、家事も通学もしていない者)は、2012年で62万人、さらに上の世代の35~39歳(高齢ニート)まで含めると83万人いるとされている。

15歳~34歳が43人集まると、そのうち1が、就業、就学、職業訓練のいずれもしていない人「ニート」。

このニートな人たちに、なぜニートになったのか、ならざるを得なくなったのかを尋ねた結果、就職を希望しているのだが、現在は何らかの理由で求職活動をしていない「非求職者」と就職そのものを希望していない「非就業希望者」に大きく二分される。

非就業希望者が世間一般的にはニートの定義により近い

「非求職者の上位3項目理由」

①現在ケガや病気などで求職不可能な事例:26.5%

②資格取得のための勉強をしている、いわゆる「浪人状態」:12.3%

③「職を探したが見つからないので、様子見モード」:11.0%

「非就業希望者の上位3項目理由」

①ケガ・病気を起因とするもの:29.7%

②資格取得のための浪人(資格を取得してから就職活動をする、あるいは自営業をはじめるため、現時点では就業そのものを希望しない):12.8%

③仕事する自信がない:6.3%

非求職者、非就業希望者とも、上位2項目は比率が多少異なるものの、同じ。

現時点で「就業する意欲がある・ない」双方の事例でもその多くは、単に怠惰な生活を過ごしている、

楽隠居的なイメージのあるニートとは程遠い、「仕方なくならざるを得なくなった」「自分の将来のための一時的な状況に過ぎない」ことが分かる。

また「探したが見つからない」「希望する仕事がありそうにない」「知識・能力に自信がない」などの項目は、「個人の問題(努力不足、現状認識不足など)」「雇用環境の問題」双方の可能性、あるいは両方の複合的な結果による場合があり、一概に世間一般の(どちらかといえば否定的なイメージによる)ニートとして振り分けるのは問題がある。

非求職者、非就業希望者とも「その他」の回答率も高く、選択肢には該当しにくい、個々のさまざまな理由によるニート化も容易に想像できる。

他方、「急いで仕事につく必要がない」「特に理由は無い」など、世間一般的なイメージに該当する「真のニート」は、多くて10万人位かといえるのではないかと思われる。

「若年無業者(ニート)」問題は「ニートの状態とは、そもそも何が問題なのか」という根本部分から考察し直す必要がある。

多種多様な原因があることから、解決は一筋縄ではいかないが、深刻で重大な問題だ。


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