厚生労働省は9月18日、特別養護老人ホーム(特養)など介護施設に入所する低所得者に食費と居住費を補助する「補足給付」の制度を縮小し、預貯金が単身で1千万円以上ある場合は対象外とする検討に入った。夫婦であれば2千万円以上で対象から外す方向だ。
補足給付は、住民税非課税世帯の高齢者が対象の補助制度。
これまで課税所得だけを基準に「低所得者」とみなして負担を軽減してきたが、資産を含め実質的な経済力を反映するよう見直しを図る。
補足給付は特養入所者の約4分の3が利用。
所得水準や施設の形態に応じて食費2万2千~3万2千円、居住費1万~3万5千円を補助している。
2011年度の支給総額は2844億円、対象は約103万人。
近く社会保障審議会の部会で議論を始め、介護保険法を改正し2015年度の実施を目指す。
見直し後は、予貯金や有価証券の保有権を通帳などの写しとともに自己申告してもらう。
市町村が金融期間に紹介する仕組みも設け、不正受給があれば罰則を科す方向で検討している。
所得不動産も考慮する。
予貯金が少なくても、一定の評価額以上の自宅など不動産を所有している人は給与の対象とする見通しだ。
こうした人が補助を希望した場合、不動産を担保に補足給付に担当する額を貸し付け、死亡後に不動産を処分し回収する仕組みも検討する。
また、夫婦のどちらかが施設に入ると住民票で世帯を分離するケースが多いため、いずれかが課税対象であれば給付対象から外すことを視野に入れる。
補足給付とは、特養などで暮らす低所得者に対し食費と居住費の負担を軽減する仕組み。
食費と居住費は2000年の介護保険創設時には保険給付の対象だったが、在宅高齢者との公平性を保つため2005年10月から自己負担になり、代わりに補足給付が導入された。
特養の個室では平均で月額計10万2千円かかるが、年金収入が80万円以下の人の場合計6万5千円が介護保険から補助される。
社会保障制度改革国民会議は「補足給付では資産も勘案すべきだ」と提案していた。
今回の施策は膨らむ介護費用の伸びを抑える観点から、行うべきだと思う。
ただ、不正給付だけは自主的にやめてほしいものだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます