米国で70年前の広島、長崎への原爆投下の正当性について、議論が続いている。
早期の戦争終結に貢献したとの主張が依然主流だが、日本との戦争を経験していない若者の増加などから変化の兆しも。
オバマ大統領の被爆地訪問実現にも影響を与えそうだ。
ワシントンのアメリカン大で6月13日始まった原爆展と、首都で初の「原爆の図」展示は議論のきっかけともなった。
「75歳の母親は、原爆は必要だったという気持ちを持っている。 若い私の娘には理解できない」
東部メリーランド州から来た女性は話した。
「米国にはこの二つの気持ちが生きている。 こういうイベントで話し合うことは大切だ」
米中央情報局(CIA)元職員ポー・カロさんは「原爆投下の決断をした場所」での原爆展に意味があると指摘。
「ほとんどの米国人は原爆の恐ろしさを知らない」として、投下の必要性や正当性をめぐる議論は「決着がついていない」と語った。
若手将校として第2次大戦で従軍した退役軍人の男性は投下の正当性について、多くの日本人の死が確実な本土決戦を避けるために「もし他の方法がなかったなら」と言いかけて「仮定の話であり、分からない」と言葉を濁した。
米調査機関ピュー・リサーチ・センターによると、投下直後の1945年の世論調査では米国内の85%が支持したが、2015年の調査では56%だった。
ワシントンで体験を語った長崎の被爆者、深堀さんは、米国に原爆正当化の意見があることは知っているとしたが「原爆について知ろうとする人が少数であってもいて、何らかの形で伝えられたことは意味があると思う」と話した。
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