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ボクは嘘をついた。
本当は風邪などひいたわけではなかった。
ボクはその日普通の朝を迎えていた。少し、前の晩の酒が残っていたが、つい電話口で「具合が悪い」という言葉が口をついた。
だって、どうしても逢いたかったから。
どうしても。
介抱してもらえると思ったし、なによりも甘えたかったのだろうと思う。
だから、とっさに嘘をついてしまった。
でも、その嘘は結果的に多くのものを失った。
ボクが深く傷つつけてしまったものは、もう二度と戻ってこないのだとその数時間後に気がついた。
ボクはもう起き上がることすらできなかった。
眩しい太陽の陽射しが高層住宅の影に隠れ、夜の帳が訪れてもボクは何かをする気になれなかった。
まんじりともせずに夜が明けた。
恨めしいほどに残暑の陽光が降り注ぎ、ボクを照らした。
次に気がついたとき、陽はもう傾きかけていた。
あれからまだ数分しか経っていないのか、それとももう何日も過ぎているのだろうか。
ケータイで日付を確認して、ようやく1日という時間が経っていることに気がついた。
お腹が減っているわけでもなかったが、何か口に入れておかなければいけないと思った。
ボクはもうまる2日も食べていなかった。
体が重い。
こんなに体が重いと感じたことはなかった。
ボクはどこをどう歩いてそこに行ったのか、よく覚えてないし、もう今となっては分からない。
胸の痛みを抱えたまま、ボクはふらふらと黄昏の街を歩き続けたらしい。
もう何も見たくないし。
何も聞きたくない。
そして、もう何も語りたくないと思った。
いつか辿り、いつか思ったことをまた同じようになぞっている。
うちのめされながら、のたうちまわる様に思いを振りきるのかと。
或いは振り切れるのかと。
ボクは歩き疲れ、1軒の食堂に入った。
瓶ビールを飲んだ。
ボクはくらくらした。
これから待ち受ける果てしない時間に。
本当は風邪などひいたわけではなかった。
ボクはその日普通の朝を迎えていた。少し、前の晩の酒が残っていたが、つい電話口で「具合が悪い」という言葉が口をついた。
だって、どうしても逢いたかったから。
どうしても。
介抱してもらえると思ったし、なによりも甘えたかったのだろうと思う。
だから、とっさに嘘をついてしまった。
でも、その嘘は結果的に多くのものを失った。
ボクが深く傷つつけてしまったものは、もう二度と戻ってこないのだとその数時間後に気がついた。
ボクはもう起き上がることすらできなかった。
眩しい太陽の陽射しが高層住宅の影に隠れ、夜の帳が訪れてもボクは何かをする気になれなかった。
まんじりともせずに夜が明けた。
恨めしいほどに残暑の陽光が降り注ぎ、ボクを照らした。
次に気がついたとき、陽はもう傾きかけていた。
あれからまだ数分しか経っていないのか、それとももう何日も過ぎているのだろうか。
ケータイで日付を確認して、ようやく1日という時間が経っていることに気がついた。
お腹が減っているわけでもなかったが、何か口に入れておかなければいけないと思った。
ボクはもうまる2日も食べていなかった。
体が重い。
こんなに体が重いと感じたことはなかった。
ボクはどこをどう歩いてそこに行ったのか、よく覚えてないし、もう今となっては分からない。
胸の痛みを抱えたまま、ボクはふらふらと黄昏の街を歩き続けたらしい。
もう何も見たくないし。
何も聞きたくない。
そして、もう何も語りたくないと思った。
いつか辿り、いつか思ったことをまた同じようになぞっている。
うちのめされながら、のたうちまわる様に思いを振りきるのかと。
或いは振り切れるのかと。
ボクは歩き疲れ、1軒の食堂に入った。
瓶ビールを飲んだ。
ボクはくらくらした。
これから待ち受ける果てしない時間に。
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