
カレー好きを公言しながら、実は「ボンディ」、「共栄堂」、そして「エチオピア」という神保町の三大カレーで食べたことがない。神保町に行く機会がないのだ。いや、本当にカレーが好きなら這ってでも行くべしと言われればぐうの音も出ない。夜は酒場に行ってしまうから。
秋葉原の駅ナカのアトレが改装工事に入っていた。このビルの一階には、「デリー」や「エチオピア」、「共栄堂」などが、出資して店舗を出した「カレー名店街」があり、しばしば自分も名店のカレーをいただいてきたが、リニューアルしたアトレに「カレー名店街」はなく、そのかわり「エチオピアカリーキッチン 秋葉原店」がテナントした。多分、いろんないきさつがあったのだろう。そのリニューアルしたアトレに、待望の「エチオピア」のカレーをいただきに出かけた。
神保町でも1,2位を争う人気店。そのお店が各所に支店を出している。そのチャレンジは買うが、正直こりゃいかんと思う。店名も「カレーキッチン」という砕けたネーミング。お店は俗っぽい。
「エチオピア」もカレーとライスとは別に、じゃがバターを出すとかみさんから聞いていた。欧風カレーに、よくあるスタイルである。「ボンディ」が、その走りだとも。ボクは、田町の「ボン ア ペチ」(カレーさすらひ未収録)で、一度じゃがバターの洗礼を受けたことがある。それは欧風カレーだけの風習だと思っていた。しかしながら、インドカレーの「エチオピア」にもあるという。
インドカレーの基本、「豆カリー」(900円)を辛さ1でオーダー。「エチオピア」にはなんと辛さ70まであるという。しかし、900円の値段設定は高い。
3種類の豆が入った「豆カリー」。ひよこにレンズ。クセのある豆の味を極力排して、すっきり味に仕上げている。ある意味、日本人向きのインドカレーである。言い換えると複雑なインドカレーをシンプルにしたともいえる。ただ、本格インドカレーを期待していた人には、少々物足りないかも。自分の場合は後者。だって、あの人気店「エチオピア」のカレーに、かなり入れ込んでいたから。だから、ちょっとがっかりというのが正直な気持ちである。ただし、こういう見方もできる。元々、エチオピアコーヒーからスタートした同店のカレーは、喫茶店カレーである。そのカレーが、ここまで昇華したのかと。エチオピア経由インド行き。この遠回りの道程に、同店のカレーの意味はあるのだ。いやむしろそこにこそ、「エチオピア」の真髄があるかも。
多店舗展開したばかりにブランド力が落ちてしまうのではないか。それが心配だ。ともあれ、いつかは神保町の本店で。おこがましい言い方だが、そこで真価を試したくなった。
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