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立ち飲みラリーの山手線編は恵比寿を終えて、渋谷に入った。お洒落な街から雑多な街へ辿り着いた。
山手線編はここからが本番だ。
ビッグシティの渋谷。その人の多さに眩暈すら感じてしまう。
恵比寿の最後の立ち飲みは実に寂しいものだった。
「VOCO」というイタリアンの店。ここは立ち飲みではないのだが、入口付近に樽が置かれており、そこだけ立ち飲みスペースになっている。最近、こんな店がやたらと多い。これはもう立ち飲み屋とは言えないのだが、立ち飲みがあるならば、どんな条件でもコンプリートしなければ気が済まない自分。とりあえず、店に入ってみることにした。
店内は満席だった。店員はボクが入店しているのに気づいているのだが、何も言わない。しばらくボクはそこにたたずんでいた。声をかけてくれるのを待っていた。
だが、30秒経っても厨房の人間は誰一人声をかけない。
この店、どうやら人気店のようなのだが、ボクはがっかりした。そしてもう、この店のことなどどうでもよくなった。そうして、ボクは渋谷に向けて、歩き始めたのだった。
渋谷では2店だけ、立ち飲み屋を知っていた。
「富士屋本店」。
ここは怪鳥と一度だけ行った。本当に素晴らしいお店で、ものすごい混みようだった。
もうひとつが、道玄坂の麓にある「根室食堂」。何度か店の前を通り過ぎたことがある。
「根室食堂」は新橋で一度入ったことがある。魚介立ち飲みの草分け的存在だ。
道玄坂の麓はごちゃごちゃとしていて、かつての闇市の雰囲気を少し残している。センター街のごちゃつきとは一線を画しており、おじさん臭溢れるエリアだ。「根室食堂」はそんな場所にたたずんでいた。
店に入ると、ちょっと勝手が違っていたので少し驚いた。
新橋の店は、ごちゃごちゃとしながらも漁師臭い演出で活気があった。だが、この道玄坂にある店は、空気がどよ~んとしていた。客はボクの他2人。あまりにも寂しい。外はたくさんの人が歩いているにも関わらずだ。
その疑問はすぐに解けた。
店員は仕事をする気がないみたいに怠惰だった。それを象徴するように、カウンターの白木はべっとりと汚れていた。これはとんでもない店に入ってしまったと思った。
今晩のボクはついていなかった。恵比寿の「VOCO」で無視され、渋谷の立ち飲みで変な店にあたってしまった。
ちょっと飲んで、すぐに出よう。
ボクが「生ビール」を注文すると、やがて出てきたのが「プレモル」だった。
いや、だからさ、鶏もそうだし、魚っていうナイーブなものに、ホップが強い「プレモル」は合わせてはいけないんだって。分かってねーな。
根室を名乗るんだったら、サッポロにしろよ。
「プレモル」が来てしまったから、ここは刺身を頼むのはやめておこう。
では、一番安価なものを頼んで店を出るとするか。
そう思い、頭上の短冊メニューを眺めると、値段的に一番安価なものは鹿肉の「ロース串」。これが1本300円。
ジビエか。まぁ、それなりにするよな、
では、次に安価なものはと目で追っていくと、「冷やしトマト」が380円。
え?これって高くないか。
「ポテトサラダ」が580円。
これ高すぎないか。
新橋の店、こんなに高かったっけ?
ボクは目が点になった。
そうか、これなら閑古鳥も鳴くよな。
これはもう立ち飲みの価格ではない。
値段が高いから、客が入らなくなったのだろうか。客が入らないから、スタッフは弛緩してしまったのだろうか。その挙句、店はばっちくなってしまったのだろうか。
もしそうならば、これはもう典型的な店が堕ちていくプロセスである。
ボクは、「冷やしトマト」をオーダーし、お茶を濁した。
しばらくすると、一応まもともなものが出てきた。ボクはそれをそそくさと食べ、「プレモル」を飲み干し、店を後にした。
店から出て、ボクは寒気がした。
この店、もう終わってるなと。
3か月後、店の前を通しすぎると、「根室食堂」は跡形もなく、別の店舗になっていた。
「立ち喰い焼肉 治郎丸」という店である。
「根室食堂」は末期症状だったのである。
今の一人焼肉も心配な感じ。
どんな店が入っても長く続かない立地なのかな~。
コロコロ、店が変わる場所って。
立ち飲みラリーは現在、渋谷。
是非、怪鳥も参加してよ。
「富士屋」のワインバーとかあるし。
意外に、立ち食い鮨も増えてるね。
おっさん二人で、原宿はきついよ。
君と行った道玄坂の下の立ち食い寿司「魚がし日本一」は月に2回は少なくとも行ってるかな。緑茶ハイ190円だとお茶のように頼んでしまいます・・・・。代々木もよく行くけど立ち飲みは無いような気がする。
今のところ、山手線で立ち飲みがない駅はないよ。
代々木も多分、あるんじゃないかな。
代々木は無いぞう~。「ほぼ新宿じゃん!」とか
「千駄ヶ谷じゃん!」は知らぬが・・・・。
過去の立ち飲みラリーでは、そんなのいっぱいあったし。