
「焼きはまぐりスタンド」に行った折、お店のお兄さんと話が盛り上がったことは既述した。その中で、好きな居酒屋はどこかとボクが質問したところ、挙げたお店が2店。ひとつは、台東の「ま~ちゃん」であり、もうひとつが、アメ横の「おとんば」という店だった。
「ま~ちゃん」は2回ほど行ったことがある。カウンターだけのこじんまりとしたやきとん、串焼きのお店だ。仕入れの良さと、丁寧な串焼きを提供する人気店である。「ちれ」や「てっぽう」、「あぶら」などの希少部位や野菜の串焼きも含めて、その数たるや30~40種類を取り揃えている。まさに串焼きの専門店といったところだ。
さて、もう一方の「おとんば」という店は行ったこともなければ、聞いたこともなく、調べてみると、店舗は「たきおか3号店」にほど近く、ボクはA藤くんとその部下、Sぎ君を誘って行ってみることにした。
「おとんば」も串焼きの店だった。驚くことに、その雰囲気は「ま~ちゃん」にそっくり。店に入ると、まずは長いカウンターがあり、そこを抜けた突き当りの右手はテーブル席だった。ボクらはそのテーブル席に通された。
「なるほど」。
あの「焼きはまぐりスタンド」のお兄さんは、うまくて、安い串焼きの店が好きなのか。しかも希少部位があって気取ってない店。
けれど、ボクは、「ま~ちゃん」より、「おとんば」の方がもっと楽しい店に映った。
まずは串焼き。
「きんつる」と呼ばれる尿道。心臓付近の「こころのこり」、首筋の「うなじ」など。レアな希少部位がラインナップ。これが90円で食べられるのだから素晴らしい。
さて、何を頼むか。
まずは、「ホッピー白」(450円)。最近、めっきりビールを飲まなくなってきた。
壁のメニューを見て、ひどく気になったものがあった。それは、上野名物という「赤おでん」。こんな寒い夜にはぴったりのおでん。しかも、赤いって。なんだか体がぽかぽかしてきそうな、その「赤おでん 5種盛り」(580円)を頼んでみた。そして出てきたのが、これ。ちょっと画像の隅になってしまったが、蟹の足がで~ん。
なんと、蟹で出汁をとっているようだ。スープから飲んでみる。
お~、赤味噌。まさに田楽。しかも、濃厚。

これだけで価値あり。
串焼きもかしら、はつ、レバーと頼んでみたが、悪くない。ボクは、「ま~ちゃん」よりも、奥行きがあって上だと思う。
この店、まだまだ面白そう。
それに安いし。
上野っていうとどうしても、プチぼったのイメージがあって。
串焼きだけを見ると、「ま~ちゃん」に軍配が上がるかもしれませんが、その他メニューを含めたトータルの意味で「おとんば」に軍配を上げました。