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広島で仕事を終えた。
このまま留まって、お好み焼きで一杯、というのもいいが、翌日は朝から小倉で仕事が控えていたため、その日のうちに移動。
小倉に着いたのは夜の7時半。宿に着いて、街に繰り出すと時刻はもう8時をさしていた。
宿の前は「旦過市場」とよばれる市場。
「北九州の台所」ともいわれる市場から、適当な酒場を物色してみる。
ほとんどの店は、もう店仕舞い。暗がりの市場を横切り、旦過の交差点へ。
はるか向こうにはライトアップされた白亜の小倉城が見える。
すると、交差点にはいくつもの屋台が店を準備していた。
さすが、九州。
「おでんも悪くないな」とも思ったが、なんともまだ心の準備ができていない。そのまま素通りした。
旦過の交差点を左に折れ、南に向かう。
いくつか、居酒屋を見つけたが、いかにもパッとしない。
仕方ない、小倉駅近くの盛り場に向かうとしよう。
新都市交通の「平和通り駅」当たりを東に曲がると、夥しいほどの店がひしめき合う繁華な通りに出た。
なんか、わくわくしてくる。
一軒一軒覗いてみては今晩のベースキャンプの候補地を探してみた。
通りの終点までいっては並行する隣の路地に移って更に物色を試みるが、適当な店がない。
太田和彦氏ご推薦(居酒屋味酒覧=新潮出版)、「赤とんぼ」も覗いたが、しっくりこなかった。こうして、延々一時間あまりも、とまり木を探して歩き回った。
どうも、このあたりには大衆酒場といった体の店があまりない様子。2年前に小倉を訪れた際に、立ち寄った「武蔵」(居酒屋放浪記NO.0013)は、大衆酒場の王道だったが、今宵は違う店で過ごしたい。
探しあぐねて、選んだ店は、盛り場の端っこ、「仁和咲」という店だった。
まず、門構えが偉ぶってなく、店頭に手書きの品書が掲げられている。ドア越しに中を覗くと、カウンターが見え、数人の人が腰掛けて談笑している。
悪くない雰囲気だ。
そう思って、店の引き戸をガラリと開けた。
「いらっしゃい」。
意外だったのは、挨拶が複数の女性の声だったこと。
カウンターの向こうを見ると、3人の女性がそれぞれ黙々と働いている。
高齢の女性を中心に、2人のおばさんが脇を固めている。
一見、親子でやっているのかな、と思った。
カウンターの手前に腰掛けて瓶ビールをもらった。
「キリン、アサヒとどちらにしますか」ときた。
キリンに清き一票。
ビールは「ラガークラシック」だ。
今晩はついてるかも。
カウンターに座って真っ先に目の前に置かれている「ビリケン」の腹を早速さすった。
ご利益あり。
「今日は刺身、何ありますか」。
と尋ねると「タコかスズキ」と一番年少の女性。
わたしは迷わず、「タコ」を選んだ。
さすがは、豊前、関門、海の幸の宝庫。
吸盤が舌に吸い付きそうなタコは掛け値なしにうまい。
醤油はもちろんタマリ。
刺身はこれでなくてはいけない。
カウンターの向こうは超熟年の女性を中心にてきぱきといい仕事をしている。
「ホントに親子かな」と思い、尋ねようとするが、タイミングが図れない。
実は、店の名前も仁美さん、和子さん、咲子さんのそれぞれの頭文字からとってたりして、なんて勝手な想像をしてみたりしたが、カウンターの奥に常連さんにつきっきりで、 末席のわたしにはお三方の距離が長い。
瓶ビールのお代わりを頼んだが、ついにその質問は聞きそびれた。考えてはダメだ。思ったときに言わねば。
タコをたいらげ、別の肴を頼む。
「ご当地ものの珍しいもの」
とわたしが言うと、二番目の女性(和子さんか?)は思案に思案した結果、「特にはないです」とメニューを出してくる。
どうやら、「この中から選べ」ということか。
メニューには、地物のようなものは見当たらなかった。
その中から、わたしは熟考を重ね、「いわしのフライ」を頼んだ。
何となく白けた風がわたしの心を横切った。
店内の音楽は長渕剛の「RUN」。
さすが九州。
♪ああ 夢 夢 夢で今日も日が暮れる♪
と歌い終われば、次はECOHSの「ZOO」。
過去を隠して生きる人ばかりの曲が次々流れる。
「いわしのフライ」は熱々でおいしかったが、辛気臭い空気が嫌で店を出ることにした。
お勘定はちょうど2000円。
うぅ、まだまだ不完全燃焼。
次の店を探しに再び小倉の町を彷徨う。
このまま留まって、お好み焼きで一杯、というのもいいが、翌日は朝から小倉で仕事が控えていたため、その日のうちに移動。
小倉に着いたのは夜の7時半。宿に着いて、街に繰り出すと時刻はもう8時をさしていた。
宿の前は「旦過市場」とよばれる市場。
「北九州の台所」ともいわれる市場から、適当な酒場を物色してみる。
ほとんどの店は、もう店仕舞い。暗がりの市場を横切り、旦過の交差点へ。
はるか向こうにはライトアップされた白亜の小倉城が見える。
すると、交差点にはいくつもの屋台が店を準備していた。
さすが、九州。
「おでんも悪くないな」とも思ったが、なんともまだ心の準備ができていない。そのまま素通りした。
旦過の交差点を左に折れ、南に向かう。
いくつか、居酒屋を見つけたが、いかにもパッとしない。
仕方ない、小倉駅近くの盛り場に向かうとしよう。
新都市交通の「平和通り駅」当たりを東に曲がると、夥しいほどの店がひしめき合う繁華な通りに出た。
なんか、わくわくしてくる。
一軒一軒覗いてみては今晩のベースキャンプの候補地を探してみた。
通りの終点までいっては並行する隣の路地に移って更に物色を試みるが、適当な店がない。
太田和彦氏ご推薦(居酒屋味酒覧=新潮出版)、「赤とんぼ」も覗いたが、しっくりこなかった。こうして、延々一時間あまりも、とまり木を探して歩き回った。
どうも、このあたりには大衆酒場といった体の店があまりない様子。2年前に小倉を訪れた際に、立ち寄った「武蔵」(居酒屋放浪記NO.0013)は、大衆酒場の王道だったが、今宵は違う店で過ごしたい。
探しあぐねて、選んだ店は、盛り場の端っこ、「仁和咲」という店だった。
まず、門構えが偉ぶってなく、店頭に手書きの品書が掲げられている。ドア越しに中を覗くと、カウンターが見え、数人の人が腰掛けて談笑している。
悪くない雰囲気だ。
そう思って、店の引き戸をガラリと開けた。
「いらっしゃい」。
意外だったのは、挨拶が複数の女性の声だったこと。
カウンターの向こうを見ると、3人の女性がそれぞれ黙々と働いている。
高齢の女性を中心に、2人のおばさんが脇を固めている。
一見、親子でやっているのかな、と思った。
カウンターの手前に腰掛けて瓶ビールをもらった。
「キリン、アサヒとどちらにしますか」ときた。
キリンに清き一票。
ビールは「ラガークラシック」だ。
今晩はついてるかも。
カウンターに座って真っ先に目の前に置かれている「ビリケン」の腹を早速さすった。
ご利益あり。
「今日は刺身、何ありますか」。
と尋ねると「タコかスズキ」と一番年少の女性。
わたしは迷わず、「タコ」を選んだ。
さすがは、豊前、関門、海の幸の宝庫。
吸盤が舌に吸い付きそうなタコは掛け値なしにうまい。
醤油はもちろんタマリ。
刺身はこれでなくてはいけない。
カウンターの向こうは超熟年の女性を中心にてきぱきといい仕事をしている。
「ホントに親子かな」と思い、尋ねようとするが、タイミングが図れない。
実は、店の名前も仁美さん、和子さん、咲子さんのそれぞれの頭文字からとってたりして、なんて勝手な想像をしてみたりしたが、カウンターの奥に常連さんにつきっきりで、 末席のわたしにはお三方の距離が長い。
瓶ビールのお代わりを頼んだが、ついにその質問は聞きそびれた。考えてはダメだ。思ったときに言わねば。
タコをたいらげ、別の肴を頼む。
「ご当地ものの珍しいもの」
とわたしが言うと、二番目の女性(和子さんか?)は思案に思案した結果、「特にはないです」とメニューを出してくる。
どうやら、「この中から選べ」ということか。
メニューには、地物のようなものは見当たらなかった。
その中から、わたしは熟考を重ね、「いわしのフライ」を頼んだ。
何となく白けた風がわたしの心を横切った。
店内の音楽は長渕剛の「RUN」。
さすが九州。
♪ああ 夢 夢 夢で今日も日が暮れる♪
と歌い終われば、次はECOHSの「ZOO」。
過去を隠して生きる人ばかりの曲が次々流れる。
「いわしのフライ」は熱々でおいしかったが、辛気臭い空気が嫌で店を出ることにした。
お勘定はちょうど2000円。
うぅ、まだまだ不完全燃焼。
次の店を探しに再び小倉の町を彷徨う。
意外とスーパーの魚売り場が地方色出てるよね。
サメとか売ってたりして。
しかし、出張行ってスーパーには寄らないゾ!
来週、久々のホピ研ってどう?今Pも是非!