大島にはホテル赤門という宿に宿泊した。
元町港からすぐの宿だった。
ホテルには文字通り、赤門があった。
その赤門にはこう書かれていた。
「鎮西八郎為朝館之跡」。
古い史跡のようである。
敷地には、小さな茅葺きの家屋がある。
どうやら、これが源為朝が住んだ住居のようだ。
源為朝は源頼朝の叔父にあたる人物で、Wikipediaによると、かなりの暴君だったという。狼藉を働いたことで、伊豆大島に流されたものの、ここでも乱暴に振る舞ったため討伐にあい、自害したという。
その為朝の住居跡に涌き出る源泉が、この「為朝の湯」とのこと。島内では、ホテルの敷地に源泉を持つ珍しい温泉らしい。
ボクは、「スナック海」からホテルに戻り、すぐさま湯に浸かった。
内風呂と露天があるが、ごくごく、小さな浴槽である。
無臭でぬめり感もないが、浴場は大変にぎわっていた。露天の浴槽は小さいが、庭は広い。
かつて、900年ほど前、この付近を為朝が歩いていたのだろうか。湯けむりの向こうを見ていたら、とても不思議な気持ちになった。
ボクは、若干酩酊していたため、軽く湯に浸かって、すぐに風呂から上がった。脱衣場で服を着ていると、昔の記憶がよみがえってきた。
30数年前だったか。三原山の噴火のことである。その影響は当時、ボクが住んでいた千葉県八千代市の自宅にもあった。
窓ガラスが噴火によって共振しているのである。我が家の窓ガラスは、風でもなく、ましてや地震でもなく、ビビり音が聞こえた。
その音が三原山の噴火によるものと教えてくれたのが父だった。もの凄いエネルギーの源泉にボクは、浸かることができた。
それは温泉成分の摂取だけでなく、地球のパワーや気もいっしょに取り込めたような気がする。
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