すっかり外でカレーを食べなくなって久しい。でもカレーは大好きだし、本音としては毎日食べたい。「カレーさすらい」は不人気コーナーだが、その中でも未だにアクセスが多いのが、「京王プラザホテル」の回。「ホテルカレーはうまい」と題したものである。で、ホテルカレーって、やっぱり特別なのだ。ふんだんな材料と技術が凝縮したカレーは、ひとつの到達点だと思う。なにしろ、コクが違う。そのコクもいくつかの層を形成するほど深いものがある。
で、この「椿山荘」でもやはりカレーが名物なのである。
この日、我々家族は開業70年の特別メニューを予約していた。そのメニューとは「本鮪握り寿司二種食べ比べ」がついたもの。
それはそれでもちろん楽しみだったが、もう一つ楽しみがあった。カレーである。
初代総料理長 上原正一郎氏が創り出したカレーレシピは今も歴代の総料理に受け継がれ、現在に至るという。しかもそのカレーはレトルトでも大人気。贈答用もあって、「ぐるナイ」にも登場した。期待しない訳がない。さらに言えば、蛍のゆうべはビュッフェだから、カレーも盛り放題だ。
宴もたけなわ、蛍も見て、さぁ〆のカレーと意気込み、このように山盛りにした。ほら、もうどどーんとこんな感じにカレーをかけて。冷えた白ワインをいただきながら、カレーをいただく。
伝統のカレーはポークカレー。豚は椿豚と呼ばれる「椿山荘」御用達らしい。
これがもううまいの何のって。舌がじぃーんとくる。ポークカレーは旨みが出るが、野卑な味になりがち。でも、そんなことは微塵も感じさせない。やっぱり、味の深みが違う。「京王プラザホテル」のカレーは辛さを感じたが、「椿山荘」は辛さがない。だからといって物足りない訳ではなく、むしろ大人っぽい。「東京會館」のカレーは甘さとスパイスの二重奏だったが「椿山荘」は奥行きだ。つまり二重奏は縦に深みがあるのに対し、「椿山荘」は横空間なのだ。その先にまだ何かがありそうで、ついがつがつといってしまう。だから、もう一杯、同じボリュームでおかわりした。
結論として、一言言うならば、ホテルカレーとスパイスカレーはもう別物。新たなジャンルなのだと思う。
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