
新宿の片隅。
SIONの歌った、その風景とはあまりにも違う。新宿西口の喧騒はもはやここにはない。似つかわしくない真っ暗な闇がそこにあった。
お店は戸建のお店。新宿には珍しい。
かつて、この店の前を通り、その賑わいに驚いた。
こんなところに立ち飲み屋があるなんて。
17時過ぎ、お店に入ると、すでに数人のお客。
カウンターと小さなテーブル席が幾つか。
華美ではない、実にオーソドックスな店内。
店員のハチマキが粋だ。
少しご年配のお父さんが店主に見えるし、オーナーにも見える。
生ビールはスーパードライ。
これが380円。
値段は及第点。
素晴らしい
つまみは「もつ煮込み」
店舗もオーソドックスなら「もつ煮込み」も基本型だった。
味噌と醤油とみりん。やや小ぶりな器に盛られたそれは、少し不満だったけれど、味は素材のシロが新鮮で、こってりした重量感のある「煮込み」だった。
素材の良さ。
それはこの店のひとつのウリのようだ。
「朝取り地鶏」。つまり、朝に絞めた鶏がこうして今出てきている、そう解釈していいのだろうか。
ともあれ、この素材の新鮮さは素晴らしい。
そして、「串焼き」。
ハツ、シロ、ももをそれぞれ注文する。串焼きは2本から。串焼きの具はやや小さめだったが、炭火で焼く串焼きはさすがの一言。なにせ1本が80円なのだから、そのクオリティに拍手を送るべきだろう。新宿の立ち飲みでは「鳥園」が頭に浮かぶが、もうその差は雲泥だ。
ビールを飲み干して酎ハイに。酎ハイは甘め。ビールがアサヒだから樽杯倶楽部かもしれない。
時間の経過とともに、脚が増えていく。
場所柄、ホワイトカラーばかりが多いのかと思ったが、意外とブルーカラーも多い、駅からやや離れてはいるが、この金額に誘われてくる客も少なくないのだろう。
この点は新橋の立ち飲み屋と異なる点である。新宿は雑多である。渋谷、池袋と比べて人種はるつぼといっていい。
だから、新宿には新宿らしい立ち飲み屋があって、然るべきだと思った。
大衆系の立ち飲み屋なら「おヽの屋」か「龍馬」だろうなぁ。
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