「BBB」

BASEBALL馬鹿 BLOG

喫茶さすらい 052 - 小栗旬に似た、優しいマスター - 「あずみ野」(千代田区外神田)

2017-03-31 17:55:20 | 喫茶さすらい

地味である。数百m北にある「ラパン」に比べれば、極めて地味である。ともすれば、店の存在に気づかず、通り過ごしてしまうほど、この喫茶店は風景に同化している。

喫茶店「あずみ野」。

 

初めて、この店に入った時のことを、ボクは強烈に覚えている。

カレーを食べようと店に入り、若いマスターに、「カレー」と告げると、小栗旬に似たイケメンのマスターは、開口一番「え~っ!」と大きな声で叫び、体をのけぞらせた。更に一言、「カレーですか?」とボクに尋ねる。

変な空気が流れた。

「おかしなこと、言ったかな」。

ボクが、発したのは、たった一言。

「カレー」だけである。

 だが、マスターはいぶかしむような顔で質問をしてきた。

「表のメニュー表に書いてありましたっけ?」


この喫茶店にカレーはないのか?だから、ボクは、「あっ、てっきりカレーがあるものだと思って、注文しちゃいました。違うもの頼みます」。

すると、小栗旬は、「いえ、カレーは金曜日だけのメニューなんです」。

なるほど、そういうことか。

「知らなかったので、すみません」。

ボクは、そう言って、違うものを頼もうとメニューを目を落とした。

すると、小栗は、こう言った。

「まかない用のカレーがありますが、それでよろしければ、ご用意いたします」。


ボクに断る理由などない。しかも、レギュラーメニューではなく、まかないものを食べられる機会など、そうそうあるものでもない。

「是非!」とボクは力強くお願いした。


そうして、テーブルに運ばれてきた、まかないカレーは豊富なたまねぎが特徴の飴色をしたカレーだった。

香りたつ湯気にボクはクラクラし、眼前のカレーに期待した。


あっという間だった。

カレーをきれいさっぱり平らげてしまうまで。

それほど、うまかったのである。

食べられないと思っていたのが、食べられたという幸福感も作用したからだろう。けれど、それを差し引いても抜群のうまさだった。

何よりも、マスターの優しさが絶妙な調味料だった。

 

厨房は若いマスター。オーダーは、マスターの母上とおぼしきお母さんがご担当。もしかすると、創業のマスターから息子さんに代替わりしたのかもしれない。


店内はさりげなく絵が飾られ、お店を飾る。派手さがないところが落ち着く。猫が好きなのか、ところどころに猫の装飾がある。猫好きの喫茶店は、意外に多い。

装飾が主張していないのがいい。

コーヒーが引き立つのである。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【今朝の味噌汁】 20170327-2... | トップ | 居酒屋さすらい 1150 - 開店... »

コメントを投稿