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これまで、かれこれ約300軒の立ち飲み屋におじゃましてきたわけだけれど、熊猫が唯一贔屓にする立ち飲みは、この店だけ。
「工藤軒」。
街の中華屋さんかよ。
ノンノン。
「カレーとコーヒー」だから喫茶店?
いやいやいや。
新橋「駅前ビル」の地下。
怪しい、妖しい。いかにも。
このオレンジ色の暖簾の向こう側。そこに繰り広げられる工藤ワールド。
♪Bad city bad bad city fat city bad bad city♪
白いスーツの優作さんが両手を上げておどけてる。
まさに、そんな感じ。
立ち飲み屋って言ったら、店主の工藤さんはきっと怪訝な顔すると思う。
結果的に立って飲んで、結果的に立って食べたり。立ち飲みってただのプロセスなんだ。
店主の工藤さんをボクは「工藤ちゃん」と呼ばない。いやいや呼べない。 だって、工藤さん、超大物ベーシストだよ。だって、作るカレーがうまいよ。それよりもなによりもセンスがいいよ。
だからさ、生まれついてのエンターテインメントなんだ。だからといって、工藤さんが主役じゃない。工藤さんは、喩えていけば、スパイス。そう、スパイス。
工藤さんを媒介して、ここでは誰もが友達になれる。だから、楽しいんだなって。
ここに来て、酒場の意味がやっと分かった気がする。知らない人と飲む楽しさみたいな。だから、途中下車してまでも、ついつい寄ってしまうんだ。この店に。
工藤さんのことをスパイスって言ったけれど、工藤さんが作るカレーや「253」(にこみ)ときたら、まさにスパイシー。クミン、マサラ、フェンネル、ターメリックなどスパイスが効いてる。
「工藤軒」を一言で表すとしたら、いろんな人が集うスパイスのようなものと言ったらけっこう当たっているかも。
多くの人がここではコーヒーを飲んでいる。
コーヒーって言ってもコーヒー酎(400円)。
これがまた病み付き。だから、ついつい3杯も飲んじゃったり。
この年末はこのコーヒー酎が飲み放題を2日間にわたって開催。題して「死亡遊戯」。
ネーミングもうまいなって思う。だって、コーヒー酎を飲み放題飲んだら、翌日どころか、その日のうちに死ぬと思うな。
行く予定にしていたけれど、結局、ボクは行けなかったけれどね。
そうそう、何故「工藤軒」かって?
名作ドラマ「探偵物語」で松田優作さん扮する工藤ちゃんが電話に出るシーンがあって、「はい工藤軒です」って。
♪Bad city bad bad city fat city bad bad city
Bad city bad bad city fat city bad bad city♪
お店の場所はかつてブルースバーがあった「MOJOママ」。でもね、「工藤軒」の店内でかかる音楽も悪くない。
Gun's & Rosesからプリファブ・スプラウトまで。まさに工藤ワールド。
あぁ、カレーを肴にコーヒーが飲みたい。
あぁ、「ドキドキケバブ」もいい。絶対、おすすめ!
ちなみに、ここにはいろんな工藤さんが集まる。
ボクは2人の工藤さんにここで出会った(店主の工藤さんを入れると3人)。
いつか、店に入るとき、「工藤ちゃん」って暖簾をくぐったら、店内のみんなが「はい」って言ったりして。
んがっんぐっ。
あれからよく自作します。場所柄、あれ以来行けてないのが残念です。
話しは違うけど、怪鳥が約24年前に教えてくれた大根おろしベーコン丼は、たまに今でも作るよ。
最近またすごい発明をしたので近々!
それでは、近いうちに。
新年会をやりましょう。