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日帰りの神戸出張。時間がない中、不本意ながらネットで、立ち飲みを調べると、「げんちゃん」という店がヒットした。「げんちゃん」は、昼間より既に営業とのこと。どうやら、帰路に影響なく、一杯飲めるかも。
店を見つけ、勇気を出して入店すると、いきなり力が抜けた。「げんちゃん」という武骨なオヤジが出迎えてくれると思っていたが、店内は茶髪のお姉さんが店番。ちょっと、かったるそうにオーダーを聞いてくれる。
美しいコの字カウンター。メニューはやたらと多い。う~ん。どうするかな。珍しいところで、「一番搾り」の「スタウト」。これはなかなか立ち飲みにはない。そして、「冷奴」。これもデカ盛りだ。
ボクの隣には、野球帽のおっさん。帽子はもちろん阪神タイガース。うわぁ、さすが神戸の立ち飲み屋。
しかし、17時前の立ち飲み屋は、まったり感が半端ない。多分、17時を過ぎると、たくさんの客が訪れ、阿鼻叫喚の忙しさが訪れるのだろう。しかし、自分もそう悠長にはできない。大阪以西から帰るとなると18時前には、新幹線に乗りたい。
まだ、店に入ったばかりだったが、ここで乾坤一擲のつまみを頼もうと思った。
それが、「焼きそば」。
東京の「焼きそば」はしょぼいが、神戸ならスペシャルだと思った。
昔、「オレ深」の旅で、ヴェトナムのホイアンで仲良くなった日本人がいた。彼と話をしたとき、帰国して、真っ先に何を食べるかという話題で盛り上がった。自分は「鮨」と答えたが、彼は意外なメニューを口にした。それは、「モダン焼き」だった。
「モダン焼き」と焼きそばは別物だが、焼きそばに共通項はあるだろう。神戸の人にとって、焼きそばはソウルフードなのである。だから、「焼きそば」は、外せないと思った。それが、このボリュームである。
どど~んときた。
ドロソースに万能ねぎ。これが、抜群にうまい。いつしか、飲み物は、「酎ハイ」を頼み、ボリューム満点の「焼きそば」で、2杯も飲んでしまった。
関西の立ち飲みに来ると、いつも感じるのは、生活の隣に、立ち飲みがあるという雰囲気である。だから、人々の密着度が強い。だから、お店も気取っていない。それは、一見ディープに見えるのだが、懐が深いと言える。
いい、酒場だ。思わず、時を忘れて、そのまま居着いてしまいそう。
もうちょっと飲んで帰ろうかな。
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