
あの日とそっくりだった。
あの日をそのままなぞっているようだった。
ボクは5時間も早稲田の図書館で時間を過ごし、とうとうやることがなくなって建物を出た。
なんだか、少し頭が熱かった。
ボクは彼女からの連絡を待っていた。
お腹がとても減っていたので、なんとかしようとして、駅前の店を物色した。
ロータリーの前のビルにある「だるま」という店で簡単な食事をしようと思った。
酒場は比較的空いていた。土曜日だというのに。
若いカップルと隠居した爺さん同士がテーブル席で飲むだけで、席は埋まっていなかった。
スーパードライのエクストラコールド(480円)と「モツ煮込み」(350円)を頼む。特筆するような特徴もなく、ほぼ義務的にオーダーがとられ、そして事務的に酒と小鉢が眼前に供される。
無機質に感じるのは、自分の心が空虚だからか。それとも、少しずつ、体が火照ってきているせいだからか。
「モツ煮込み」が味気ない。恐らくそれも体調の変化によるものだと思う。
それならば、いっそ強い酒でもあおればいいのだろうかと思った。
あの日のように。
けれども、ボクがもらったのはテキーラではなく、白ワインのグラス(350円)。そして「チャーハン」(400円)。
ワニスのようにべっとりとこびりついてしまった疲労感。
そして、頭の片隅をちりちりと焼いてしまうような倦怠感。
もうどうしようもないほどに。
そして味気ない酒。
この店に、なんの責任もないけれど。
店を出てBIG BOXの入口まで来た。
あの日が今はもう懐かしい。
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