
最近、代々木公園からの帰途、渋谷まで歩くことが多い。その距離は意外に近く、簡単に渋谷まで出られるから。立ち飲みラリーの山手線編も渋谷で随分スタックした。大した軒数もないだろうとタカをくくっていたが、なかなかどうしてけっこう立ち飲みがある。地価が高いから、立ち飲みではやっていけないだろうというのは浅はかだった。
目当ての酒場があったが、まだ準備中。仕方ない、第二候補の店に行くか。
第二候補は東急井の頭線渋谷駅の下。かつて、「天天米線」という店が閉店し、新たな立ち飲み屋がオープンした。それが「瀬戸内 とりかつ」。
お店到着は16時58分。まだ準備中の表示。扉はオープンエアで厨房が見える。
「17時からですか?」
奥のスタッフさんに声をかけた。
「あ、もういいですよ」と返ってきたので、中に入ろうとすると、「ちょっと待ってください」と血相変えて、こちらに向かってきた。
「検温しますね」。
額に照射する体温計を当てられ、消毒液の使用を促された。とうとう、居酒屋も、こういう時代になったか。
カウンターにポジションして、「ホッピー 白」(490円)。
おっと、「お通し」が出てきた。塩昆布キャベツ。立ち飲みに「お通し」は馴染まないよ。ちなみに、この「お通し」は100円。
つまみは、「ポテトサラダ」(300円)に今日のおすすめメニューの揚げ物(380円)。
かつての店舗は暗くて退廃的な、いかにも渋谷って感じの立ち飲み屋だったが、この「瀬戸内 とりかつ」は店内が明るい。つまみも安価で、いい意味で渋谷っぽくない。メニューには時々、瀬戸内海に因んだものがあるが、それほど瀬戸内らしさがない。そこが少し残念だ。
「なかみ」は290円。飲みものはちと高い。
さて、この店、最大のおすすめ、とりかつをいただくとするか。
「とりもも」、「とりレバかつ」(各150円)。だが、期待が大きかったせいか、ちょっとがっかり。身が小さいのが難点だった。
17時半を過ぎると、少しずつお客さんが入ってきた。高齢の客は常連なのか、検温はパスされていた。次に入ってきた客は、おばさんの一人客。ふらりと近所から出てきた格好で、親しく店員に話しかけている。
なんか、下町っぽい。つい自分が今、渋谷にいることを忘れてしまう。渋谷にはない珍しいタイプの立ち飲みだ。
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