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居酒屋さすらい 1828 - 3種類のもつ煮込み - 「きくのこ 有楽町本店」(千代田区有楽町)

2021-09-26 21:50:02 | 居酒屋さすらい ◆立ち飲み屋

※緊急事態宣言発出前に訪問。
有楽町で仕事を終えてしばし探索することにした。もう随分前、まだ立ち飲みラリー山手線編が有楽町に差し掛かった時、駅周辺をくまなく見たつもりだった。だが、有楽町電気ビルは盲点だった。何気なしにこのビルの地下に降りてみると、何と立ち飲みが見つかったのである。

「きくのこ」というお店らしい。店内はかなり賑わっていて繁盛している。なんか良さげな雰囲気だ。早速、店に入ることにした。周囲の様子を窺いながら、窓際のカウンターにポジショニング。その際何人かの人が「ホッピー」を飲んでいるのを確認して、自分もお店のお姉さんに「ホッピー」(410円)白を告げた。

いい感じのお店じゃないか。今まで何で知らなかったのだろう。不覚である。極めて不覚である。「ホッピー」が運ばれ、その横に安っぽいプラスチックの皿が置かれた。どうやらキャッシュオンらしい。今時、キャッシュオンの立ち飲みも珍しい。

メニューを眺めると、すぐに煮込みの文字が目に飛び込んできた。おや?煮込みは3種類あるらしい。牛と豚のもつ、そして牛すじ。これ、どっかで見たことがある。あぁ、それは浅草ホッピー通りの「もつくし」だったか。後で調べてみると、「きくのこ」の旧店名は「もつくし」だったらしい。そうか系列なのか、それで納得。確か、「もつくし」は上野にも立ち飲みの店があった。一度だけ行ったが、程なく閉店した。

その3種類の煮込みがセットになっているメニューがあり、690円ならそれほど高くもないと思い頼んでみた。てっきり小分けされた煮込みが来るのかと思いきや、恐らくレギュラーサイズと思われる煮込みがドーンと3種類。

これはちょっと一人では多すぎる。そう思って、隣のおじさんに「一ついかがですか?」と勧めたら、喜んで引き取ってくれた。自分はあまり好きじゃない「牛すじ」を出して進ぜた。

それがきっかけで隣のおじさんと話しをした。おじさんはほぼ毎日、どこかのお店に立ち寄って帰宅するらしい。どうやら家に帰りたくないらしいのだ。あまり立ち入った質問もはばかれたので、黙って聞いていたが、どうやら奥さんとうまくいってないらしい。おじさんは次第に熱を帯び、問わず語りに喋り続けた。

「もう離婚したいよ」。

おじさんの口からはとうとうそんな言葉まで出てしまった。おじさんはもう泣きそうだった。

さて、もつ煮込みだが、牛は塩味で豚は味噌だった。あぁこの煮込み、昨秋の浅草でみーさんといただいたのは牛だったか。あの時の光景が目に浮かんだ。豚もつの味噌も含めていい味付けだ。

おじさんはなおも喋り続け、徐々に愚痴のようになった。これは困った展開だ。

さて、もう一品頼んでみようかとオーダーしたのが「鶏の唐揚げ」。だが、これもボリューム満点だった。大きい鶏が3つ。とてもじゃないが、これも食べきる自信がないのでおじさんにお裾分けした。

しかし、このお店は相当なポテンシャルがあると見た。ホッピー通りの「もつくし」は完全に観光地価格だが、この有楽町の立ち飲みは安くて量が多い。まさかこんな一等地でこの値段というのも恐れ入る。これは自分のリピートリストに書き加えねば。

気がつくとおじさんは完全に出来上がっていた。あれほど饒舌に喋っていた人とは思えないほど静かになっている。

「ホッピー」の中を2杯おかわりして試合終了。おじさんに別れを告げて、店を辞した。おじさん、今夜は大丈夫だろうか。酔って帰ったらますます奥さんの機嫌が悪くならないだろうか。そもそも無事に帰れるのか。心配だが、仕方がない。おじさんに幸あれと念じながら自分は有楽町駅へ急いだ。

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